最強を目指して
ザンッ!
刀を振る。その少女は怯まない。
ザンッ!ザンッ!
傷を負いながらもその笑みを崩さない。
ザンッ!ザンッ!ザンッ!
その少女は、スキルを使わない。
ザッッッシュ!!
刀神と呼ばれしその少女英雄譚を始めよう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おい、小鳥遊起きんか!」
「ふぁ!」
顔を上げると国語担当の矢島が立っている。
「授業中は寝るな!だいたいお前はな・・・」
それから、矢島の説教は20分間続いた。
(はぁー、あんなに怒らなくてもいいじゃん。確かに授業中に寝ちゃったのはわるかったけどさ…)
私は心の中で矢島のことを愚痴りながら学校を後にする。いつもは真剣に授業を受けているのだが、今日は眠すぎてねてしまった。
眠れなかった理由は、今日晴れて15歳になったのだ。15歳はこの世界では節目なのだ。30年前に突如としてこの世界にダンジョンが現れた。
ダンジョンは資源が豊富でこの世界を救った。ダンジョンは、戦争という2文字をこの世界から無くしてくれた。
ダンジョンに入るとステータスの恩恵が皆平等。ステータスの恩恵を貰えると、ステータスが見えるようになる。
ステータスは何でもでき現代はスマホやパソコンはいらなくなってしまった。ただ、ステータスを使っての悪事はできなくなっている。理由は分かっておらず、カルマ値が関係しているのではないかと言われている。
なぜ15歳が節目といったのかは、ダンジョンに入るには15歳以上にならないとは入れないからである。
ダンジョン自体には何歳でも入れるのだが、ダンジョン免許すなわち冒険者カードが必要になってくる。
冒険者カードは学科を受けないと貰えないようになっており、学科はたったの2時間で終わる。テストとかはとくにない。なぜなら、冒険者は自己責任なのだから。
【閑話休題】
「やっとダンジョンに入れる」
学科を受け終え冒険者カードを貰った。この足でダンジョンに行こうと思いスマホで近くのダンジョンを調べた。ここから歩いて10分ぐらいのところにダンジョンがあるので、そこに向かい歩き出す。
私は、小さいころからの夢がある。それは最強になることだ。小さいころに最強を名乗る男の人を見て怒りがわいてきた。その人は最強最強ともてはやされていたが、私はふざけるなと感じてしまった。
最強はお前じゃない!私が見てきた物語では最強は、かっこよかった。涼しい顔で敵を倒し、仲間や家族がピンチの時にはさっそうと現れ勇気を与える。
その強さに憧れた。
最強とは負けないことじゃない。誰に対しても、どの敵に対しても、本気を出さずに余裕で勝つことだと私は思っている。負けないこと?そんなのは当たり前だ。負けなんかしたら最強なんかではない。
私は、最強と呼ばれている男を見て思った。
(こんなのが最強なのか?ありえない。こんなのを最強と言っている周りも話にならない。それなら私が最強になろう。スキルを使わずに…)
あれから7年ついに最強を目指せる。私が最強になるのだ!
いいねやブックマークよろしくお願いします。