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6話 俺のモノに手を出さないでもらえますか?

けーくん視点に戻りました。

「よう健。今日はどうする?」


朝の騒動から始まって長いホームルームも終わり、今日は午前中で学校から解放される俺ら。

早く終わる事もあってか、周りは羽を伸ばすのだろうか盛り上がっている。

ちなみに席は偶然にも翔と前後になるような形になった。


天音と三春は遠くなったが…。


「んや、天音と帰るわ」

「そうか。お前らベタベタして幸せそうだな」

「お前らこそベタベタしてるだろ」

「ははっ! 違いねえ」


翔のニカッとキメてくる。


というか、イケメンだよなぁ。太陽の様だ、俺からすれば吸血鬼になった気分なんだが。


「健ちゃん、まーたうちの彼ピいじめないで欲しいんだけ……てか、天音っち何してんの?」

「えっ? あ…うん。抱っこされてた…というか…捕まったというか…?」


三春に対して、にへへっと浮かべ耳まで真っ赤になっている天音。


俺と天音が今どういう状況かと言うと

ホームルームが終わって天音と帰る為に呼びつけた

暇だったから天音を抱き寄せた

天音が恥ずかしがって暴れるから俺の膝に座らせた。

これがよく聞く、背面抱っこを俺は天音にしてあげてる、しかも逃げないように腕回して固定してあげて。


「翔…。あれ、うちにもやってよ」

「ミー…、俺の勇気がここでは無理だって言ってる」


翔は出来なかったらしい。

周りはこの行為に視線を集めた的になって、女子達がキャーキャー騒いでる。


男共から羨む目や嫉妬の目も感じるしな、だから俺は気にしない事にした。


「そいや、天音っち行かなくていいの?」

「あ、ちょっと行ってくるね。けーくんちょっとだけ待っててね」


天音がそう言い、俺から振り離れて行った。


もうちょっとだけ堪能したかったんだけど仕方ないか。

というか、天音はどこに行ったんだろうか。


俺にはわからなかったから聞いてみた


「なぁ、天音ってどこに行ったんだ?」


すると、三春が三日月の様に口角が上がって


「天音っちねー、屋上に行ったんよ」


それに察した様な翔が悪魔の様な笑みで


「健。行った方がいいんじゃないのか?」

「健ちゃん。様子見だけでもしてきたら?」

「いやいや、乱入しても構わないぜ」

「問題さえ起こさなければいいっしょ」


絶対二人は何か企んでいた。しかし、俺にはそれがわからない。

まぁ、行くだけ行ってみるかと伝えたら


「「頑張ってきな」」


二人は満遍の笑顔でサムズアップをしてきた。


まぁ、大丈夫だろうと思ってた俺は…






頭を抱えていた。

はぁ…と溜息を吐きながら様子見していると


「天音くん。キミはモノにされてるのだろう? 僕が助けてあげるから一緒に来ないかい?」

「あの…、ごめんなさい。それでもけーくんの事が…」


これは告白現場じゃないか!

相手の方は…、プリンスって言われてるイケメン先輩か。

けど天音の事は信用してるし、出来ればあまり見たくなかったんだが…。


「弱みでも握られてるのか? あんな奴なんて僕がどうにかしてあげるよ?」

「けーくんは悪くないです! あんな奴呼ばわりはやめてください!」


天音の擁護がとても嬉しかった。


「はぁ…仕方ないか」


あの二人は今頃ニヤけてるだろう。そんな二人の挑発に俺は乗ってやる事にした。


さて、始めようか。俺の大事なモノに手を出すやつに鉄槌を




「呼びましたでしょうか。先輩?」

「なんだ!? お前は!?」


俺は入り口から颯爽と登場した。

天音も驚いてたが、何も抵抗もする事もなく俺に抱き寄せられた。


「先輩? 許可無く天音の事を名前で呼ばないでくれませんか? 俺のモノなので」

「僕を……馬鹿にしてるのか?」

「バカだからバカにしてるんですよ。人のモノを取るなんてバカでもわかります。先輩はバカだから逆上するんですか?」

「な、何を言ってるのか僕にはわからないな。僕が逆上するわけないじゃないか」


先輩は動揺を隠すようなニタニタと不快な笑みを浮かべ


「僕はお前の事は知らないが、僕が僕のママとパパに言ってあげたらお前は潰されるんだよ。そんな風にはなりたくないよね? だから諦めてくれないかな?」


「無理だと思いますよ。天音は俺のモノなんです。これからは俺と天音だけの思い出というストーリーを作るんですよ。そのストーリーには、先輩はキャスティングされてません。もちろん先輩のパパもママもです。キャスティングされてない人が俺と天音のストーリーを覆すわけ出来ないんですよ。わかりましたか? 先輩?」


抱き寄せてて顔は見えないが天音が少し温かくなって体を震えたような気がした。


しょうがないよな…先輩の言動は流石にドン引きするよな。


「ぐぅぅ……。あまり、僕と僕のママとパパを馬鹿にさせるな!!」


とうとう耐えきれなくなった先輩は怒りに任せて、俺の事を掴みにくるが俺は払いのけてやった。



「天音は俺のモノです。俺のモノに手を出さないでもらえますか?」

「…チッ」

「それに知ってますか? 俺が屋上に行ってる証人がいるし、天音は先輩に呼び出された、この会話を録音してるデータもある。これだけ状況が揃ってたら世間体を気にしてそうな頭の良い先輩はわかりますよね?」

「……クソがっ!」


舌打ちが聞こえた。

先輩は諦めたようで姿を消してくれた、ただし道中の物に八つ当たりをしながら。


「天音が変に愛想振りまくから面倒な事になるんだぞ」

「ち、ちがうから!」


俺の胸に顔をうずめたままの天音。


「ほら、泣くなよ。確かに先輩の言動は不快だったと思うけど」

「泣いてないから! ちょ…と恥ずかしいだけ。けーくんにはまだ見せれない…」


なんか恥ずかしい事があったのだろうか?


今までの会話を思い出しても俺には原因がさっぱりわからなかった。


「けーくんって変わったね」

「嫌か?」

「…ううん。前よりは全然良いよ。けど…、ちょっと強引だなぁ…て」

「天音達が俺に強引にしてただろ? 離れろって言われても離れなかったろ? だから天音も夕理も母さんも強引にするつもりだし、離れもしないさ」

「あ…。ありがと。けーくん大好き…」


そんなこんなで俺は無事天音を助ける事が出来た。

ちなみに天音と帰ろうと教室に戻ったら、褐色カップルに待ち構えられて根掘り葉掘りと天音は捕まって三春の熱が上がったのは言うまでもない。


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