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女子高生、家を買う  作者: 色川玉彩
もっといい家を探すまでねばるの巻
31/42

選取住宅との打ち合わせ(1回目)

「はじめまして。担当の原島です。娘さんの方は以前お世話になりました」


 とても丁寧に、頭を下げてくれる。

 ここは選取住宅の支店で、私たちの家の一番近くにある支店。

 A市の駅徒歩10分の家を押さえた私たちは、選取住宅の人と今日から毎週末打ち合わせをしていくこととなった。

 そしてこの原島さんが、我が家の担当さん。


「どうぞお座りください」


 言われて座る。

 思っていたよりも堅苦しい場所じゃなくてほっとした。

 お母さんはきょろきょろと周囲を注意深く見ている。


「では早速ですが、ご説明させていただきますね。選取住宅では、4週に渡って打ち合わせをさせていただきます。今週はまず、間取プランを検討しまして、次回でその修正を反映して再検討しつつ、住設などをどのようなものを入れるのかなどを決めていきます。そこでおおよその総額が出ますので、次の3週目にお渡しします。それをいったんお持ち帰りいただいて、最終の4週目にご契約いただくかどうかのご決断をしていただく流れになっています」

「ということは、実質家について考えるのは、2,3週しかないってことですか?」


 私が感じた違和感を、お母さんが的確に言葉にして伝えてくれる。


「いえいえ。おおよその見積もりを出して制約するまでが4週でして、制約後も着工まで細かく打ち合わせをさせていただきますし、その際に変更いただいても構いません」

「でも変更次第では、見積もりを大きく超えることもあるんですよね」

「もちろんそうです。ですがそれに関しましては、こちらも予算や見積もりを超えてしまうというのをお伝えさせていただきますので、できるだけ予算内に収まるようにはご協力させていただきます」

「なるほど」


 お母さんは言って両腕を組んだ。

 なんか話のテンポが速くてついていけない……!


「で、本日の打ち合わせについてですが、まずはあの土地に建てる間取プランを改めてご確認下さい」


 それは3枚の紙で、それぞれ別の間取りが書かれている。

 以前モデルハウスに行ったときに、渡された書類の中に入っていたものだ。


「どうですか。白武様的には、どの間取りがいいとかありますか?」

「いろいろ検討させてもらったんですけど、やはり家の前でバーベキューなんかができるスペースが欲しいなと思ってまして、この玄関部分が出っ張ってるやつじゃなくて、リビングの掃き出し窓と同じラインにあるやつがいいです。あと、2階のバルコニーもこんな大きくなくていいかなって」

「はい。可能ですよ。他にはありますか?」

「あと、書斎を付けてほしいんです。ウォークインクローゼットがかなり大きいんですけど、それをもう少し小さくして」

「はいはい。可能ですよ。こんな感じですかね?」


 そう言いながら、原島さんは手元のパソコンを操作しはじめた。

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