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地理が苦手な理由

「てか、そもそもはるって社会全般が苦手なの?」


 夕食が終わり、寝るには早すぎる時間帯、いつもなら一緒にゲームをしたり本を読んだり、各々好きなことをしたりしているのだが、夕食中に話をしていた事が終わっていなかったのでその続きをすることにした。

 のどが渇くと思って、お茶を用意し終わったころに風夏がそう聞いてきた。


「いや、そう言うわけではない」

「じゃあ他の公民とか歴史とか、はるはどのくらい出きるの?」

「まぁ、並みぐらいかな」


 地理とは違い社会科の残りの二つはそこまで苦手ではない。確かに他の教科より点数は落ちるが、平均点位だし落ちると言ってもほんの三、四点ほどだ。


「へーそーなのか、ならなんで地理は苦手なの」

「地理は他の二つと違って、なんか覚えづらいんだよ」

「どんなところが」

「えーと、例えば歴史は城とか資料があるじゃんだから覚えやすいし、公民の方は今の俺達に関係してるから覚えやすいんだよ」

「そうだね、でも地理だって身近にあるじゃん、例えば三角州とか飛地とか」


 確かに風夏の言う通り地理も身近にある。


「確かになつの言う通り、地理も身近にあるよ」

「でしょ、だから身近にないから覚えづらいってことには、ならないと私は思うよ」


 この発言を聞き、春夜は風夏が少し勘違いしていることに気がついた。


「俺の説明が悪かったのかもしれないけど、身近にないから覚えづらいとは言ってないよ」

「あれ、そうだっけ」


 風夏の問いには答えずに、用意されていたお茶を飲んだ。


「もったいぶらないでよ、はる」

「そういうつもりじゃないよ、ただ、喉が渇いただけだよ」

「本当に?」

「あぁ、ホントホント」


 風夏が疑いの目で見てきたので、嘘じゃないことを証明するために、しっかり目を見て答えた。そうしたら信用したのか、疑いの目をやめて、お茶を飲んだ。


「話を戻すけど、じゃあなんで地理だけ苦手なの?」

「説明が少し難しいんだけど、他の二つは地理と違って新しく覚えるから苦手じゃないんだけど、地理は前の知識から更新しなきゃいけないから苦手なの」

「?ごめん、何言ってるのかわからない」


 風夏はまだ納得していないようだ。まぁ、この説明だけで理解しろと言われたら春夜でも難しいと思う。


「えーと、もっと言うなら、地理は場所によっては現物を習う前に見るじゃん」

「まぁ、場所によってはそうだね」

「それにたいして歴史は、情報を知ってても前から持ってる情報を詳しくしただけだし、公民は俺らが生まれたときからシステムとしてあったけど、習うまでは全く仕組みを理解してないから、地理より苦手ではないの」


 分かりやすいように説明したつもりなのだが、まだ風夏は『?』を浮かべていた。やはり違いを説明するのは難しい。


「まぁ、公民と地理の違いはなんとなくわかったよ」

「あれ、そうなの?」

「でも、地理と歴史の違いがまだいまいちわからないの、どっちも習う前から知識があるじゃん」

「うーん、そうだね……、とても簡潔に言うなら歴史はあまり更新しないけど、地理は大幅更新が必要かな?」

「なんで地理は大幅更新が必要なの?」

「歴史と違って地理の前知識はほぼないじゃん」

「え、あ、なるほど、現物は知ってても三角州とかの名前は習うまでは知らないもんね」


 なんとか風夏に納得をしてもらえた、ここでつまづいたら、もうお手上げだった。


「だから今まで意味を持たなかったものが、突然意味あるって言われてもいまいちピンとこないんだよね」

「あーなるほど、そう言うことね」

「わかってくれた?」

「まぁなんとなく」


 そう聞いて春夜は少しほっとした。人によっては理解をしてもらえない場合があるので、なんとなくでも理解をしてもらえて安心をしたのだ。

 なんか安心したら無性に喉が渇いたのでお茶を飲んだ。ふと風夏を見ると風夏もお茶を飲んでいた。


「あ、お茶がなくなっちゃった、とってくるけどはるもいる?」


 そう言われ自分のコップを見たらお茶がなくなっていたので、とってきてもらうことにした。


「頼めるか?」

「もちろんだよ、続きは入れ終わってからで」

「まだなんか聞きたいことがあるの?」

「まあね、だからちょっと待っててね」


 そう言って風夏は席から立ち上がりお茶を汲みに行った

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