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うちの学校の図書室って天国だな

「ただいま」


 本を借りた帰り、どこにも寄り道することなく春夜は家に帰ってきた。

 ちょっとコンビニでも行って、アイスでも買おうかと悩んだが、焔に紹介された参考書が思ったより分かりやすく、勉強しようとしてもなかなか集中できない春夜が勉強の続きをしたいと思ったので寄り道をせずに帰ってきた。


「あ、お帰りはる」


 階段を上がりきったところで、風夏が自分の部屋から出てきた。


「なつ、ただいま」

「今日の帰り遅かったね」

「図書室で勉強していたからな」

「へ~、図書室に行ってたんだ」


 そう言うと風夏はクスリと笑みを浮かべた。


「なんだよ」

「いやー、うちの学校の図書室の広さに驚いただろうなって思って」

「まぁ確かに驚いたよ」

「私も最初は驚いたな-、でも使っているうちになれたけどね」

「なつはいまだに図書館じゃなくて、図書室を使っているのか?」

「うん、そうだよ」


 風夏の答えに春夜はやはりかと思った。風夏が図書館ではなく、図書室を利用しているのはなんとなくわかっていた。普通の本だけでなく、参考書や漫画までも大量にある。本好きなら無料で多種多様のジャンルが読めるあの図書室は天国同然だろう。


「なつなら絶対利用していると思った」

「なんで?」

「あんだけ大量に本があったら、本好きのなつは絶対に通うなって」

「そう言うとはるも絶対通うでしょ?」

「通わない理由がないな」

「だよね!」


 春夜が即答すると、風夏は嬉しそうに笑った。

 しかし、ふと風夏は何かに気付き少し申し訳なさそうな顔をした。


「ん?どうした、なつ?」

「ごめん、ついつい話が盛り上がって忘れてたけど、はるって帰ってきたばかりだよね」

「そうだな」

「それなのに着替えもせずに私の話しに付き合ってもらって申し訳ないなって」

「そんなことは気にするなよ、俺はなつと話すの好きだから」

「そう言ってもらって嬉しいけど、荷物を置いたり着替えたりはしたいでしょ」

「まぁ確かに」


 風夏の言う通り、荷物を置いて着替えをしたかった。でも風夏と話をするのことに比べればさほど重要ではなかった。


「それなら先に着替えた方がいいよね」


 でも風夏はそんな春夜の心情は知らないから、春夜の答えを聞いて風夏は先に着替えるように言った。


「別に気にしなくていいのに」

「制服、明日も着るでしょ?なら早めに脱いでハンガーとかに引っ掛けといた方がいいと思うよ」

「明日も着るからって早めにハンガーに掛ける必要なくない?」

「まぁそうだけど、話をするのはいつでも出きるんだし、先に着替えた方がいいって、はるが着替えている間に夕飯の仕上げしちゃうから」

「あれ?俺が帰ってきたときなつは自分の部屋から出てきてなかったっけ?」

「それは、はるがいつ帰ってくるかわからなかったから、先に夕飯をある程度作って置いたんだよ」

「そうなのか」

「だから私は仕上げしちゃうから、はるは着替えて来て、話は夕飯食べながらしよう?」

「そこまで言うなら、わかったよ、着替えてくる」


 春夜は少し腹が減っていたので、風夏の言う通りにすることにした。


「じゃあリビングで夕飯の用意をして待ってるからね」

「あぁ、了解」


 そう言うと風夏は階段を下りた。その姿を見送ってから春夜は自分の部屋に入た。そして、荷物を置き着替えてリビングに向かうことにした。

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