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ゲームと雑談

「ねぇはる、何しようか」


 昼食の後片付けを終えた風夏が聞いてきた。食べている間、一言も話さなかったため少し話しかけられてドキッとした。

 なつは気まずくないのかと思って様子を見たが、全くもって気にした雰囲気がなかったため、気にするだけ馬鹿らしくなった。


「そうだな、何かしたいことがあるか?」

「なら、久々にテレビゲームをしようよ、ボードゲームならオセロとかやったけど、まだテレビゲームは再開してから一度も一緒にプレイしていないから、いいでしょ」

「そうだな、よしじゃあどれやろうか、なつこの中から選んで」

「うわ~、はるのゲームのレパートリーが増えてる、あ、これ、はると昔一緒に遊んだゲームの最新作じゃん、私やってみたかったんだけど、いいかな?」


 そう言う風夏の手には有名なゲームキャラがたくさん出ている乱闘ゲームがあった。昔はこれでも景品を付けて勝負したものだ。まぁ結局、熱中して景品は意味がなかったのだが、それでもとても楽しく遊んだ記憶があった。


「よしそれにしよう、それじゃあいつも通りに景品を……いや、いつも俺ら熱中して景品の意味がないから今回はなしでいいか」

「あー、うんそうだね、景品を決めても勝負ばっかりして、しっかりと景品を貸しあった事がほぼほぼなかったね」

「そうだな、景品を貸しあったのって十回もなかったな」

「結局私達って勝負が好きなだけだもんね」


 今になって勝負が好きだったことに二人とも気づいた。

 そんなこんなしているうちに、ゲームの準備が出来た。コントローラーを風夏に渡しゲームを開始した。


「うゎ~、私が使った事がないキャラがたくさんいる」

「ここまでキャラを集めるの大変だったが、この中から選べると思うと、頑張ったかいがあると思うんだ」

「そうだね、ここまで集めるのにどれだけの苦労が必要かわかるよ、そのお陰で私が選べるキャラの幅が広くなってるんだけどね」


 そう話ながらキャラを決めた、春夜は緑が特徴的な勇者を風夏は白い道着を着た格闘家を選んだ。二人だけじゃつまらないと思い、コンピューターを二人追加した。ちなみにキャラは赤と緑の兄弟にした。


「ちょっとはる、その助太刀キャラが入っているボールは私が狙ってたのに!」

「ハッハッハッ早い者勝ちだ、っておい、俺にコンピューターを押し付けるな」

「はるには助太刀キャラがいるんだから頑張ってね」

「くそ、コンピューター同士で戦っていたらいいじゃないか、なんで俺を巻き込もうとする、ってあ、なつ」

「フフ、必殺技の権利もらい、くらえ」

「よっと」

「あ、なんで避けるの」

「残念だったななつ、それと遠くで観戦なんてさせるかよ」


 そんな感じで二人とも夢中になって遊んだ。

 その後、なん試合かをぶっ続けでプレイしたため、水分補給などの休憩をするためさっき昼食を食べたテーブルに移動した。


「ふぅ、結構プレイしてたな」

「そうだね、それにしても魅力的なキャラがたくさんいて、飽きが来ないね」

「あぁ、キャラごとに個性があって、プレイヤーにも個性があるから同じキャラを使っていても、全く違うキャラみたいだもんな」


 そんな他愛のない話をしていたら、学校での話になった。


「それにしてもなつは学校と家とでキャラが違い過ぎるな」

「びっくりした?」

「あぁ、めっちゃびっくりした。なつが秘密にして、そしてあまり関わらないでって言った事がわかった気がする」


 学校であまり自分の事を話さなく謎の多いクラスメートの義兄妹が転校してきたら、そのクラスメートの事を義兄妹である転校生……つまり春夜に聞くはずだ。それが風夏はいやだったのだろう。


「家でのノリで話た日には、絶対に今日以上の好奇心で皆が私を知るために根掘り葉掘り、はるに聞いてくると思うんだ、もちろん私にも少なからず聞いてくる人はいると思うけど、私は皆に冷たく返すから必然的にはるの方に人が集まることになると思う」

「それは俺が大変なことになるな」

「うん、絶対に大変だと思う。だから義兄妹って事を秘密にしたかったんだけど……はぁ、なんで先生は言っちゃったんだろう?」


 そう言うと風夏はため息をつきながら肩を落とした。風夏は先生が話した意図がわからないらしい。今日の学校で見た神無月の性格から、なぜ義兄妹と言う事をクラスメート達に話したのかを理解をしているつもりだ。別に隠すことでもないので風夏に説明することにした。


「なつ、多分だけどね、先生は皆と仲良くなってもらいたいんだよ」

「ん?どう言うこと?」

「神無月先生はクラスの輪に入れていないなつをクラスの輪の中に入れてあげたいんだと思うんだ。まぁ、お節介だろうけどそれが先生の優しさだと思う」

「ふーん、確かに言われてみれば、あの先生なら優しさでしそうだな~、はるの言う通りお節介だと思うけど……まぁでも、お節介だけどあの先生は生徒の事をとても大切に思っているんだね」

「そうだね」


 そう相槌を打って、ふと時計を見たら休憩を始めてから結構な時間がたっていた。そろそろ休憩を終わりにしてゲームを続けるか、このまま雑談するかを風夏に聞くことにした。


「それはそうとして結構休憩したね、続きをする?」

「そうだね、ゲームを再開しようか」


 そう言って風夏は椅子から立ち上がりテレビの前に向かい春夜を急かすように手招きをした。それを見て春夜急いでテレビの前に向かった。

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