アルロスと一緒2
私が一歩前に進む度、さっきから周りはざわざわとざわめいているのだけど??
「エイミー、歩くのが早いぞ。そんな急いでどうしたんだ?」
お願いだから、私に話しかけないでアルロス!
そう思いながら歩く私の周りでは、さっきからヒソヒソと話し声が聞こえていて嫌なの!
「キャー!あれってアルロス様じゃない!?」
「本当ですわ!でも、もしかして入学式以来初めて登校なさるのではありませんこと?」
「それに、一緒にいらっしゃるのはフィーリア様でもないし……」
「あの地味な子はどなただったかしら?」
その地味なのは私です、ごめんなさい!!!
そう心の中で叫びたくなっちゃうほど、今の私はアルロスのせいで注目されてるわけなのよ。
それなのに、自分が注目されてるなんて全く気がついてないアルロスは、何故か私の後ろをずっとついてきているわけで……。
「アルロスは一年生なのだから、この階段を登らなくて良いはずよね?だからここで別れましょう!」
「何言ってるんだ?俺は授業を全免除されてるから、エイミーと同じ教室で待機するんだぞ?」
「へ!?」
「だって、そうじゃないと側仕えの意味がないだろう?」
何言ってんのこの人!?
私の教室まで一緒に来るつもり???
そんな事されたら殿下やユリア様、それにクラスメイトに変な目で見られちゃうじゃない!!
「嫌よ!流石に教室まで来るのはやめて欲しいわ!!」
「それは聞けないお願いだ。俺はフィーリア様にお願いされてここにいるんだぞ!俺にとってフィーリア様は絶対なんだ。だから絶対に一緒に行くからな!」
「いや、フィア様はそこまでしろなんて言ってないわよ絶対!!??」
凄い思い込みの激しさだわ、私登校しただけなのにもう挫けそう……。
「と、言うわけで、エイミーちゃんはゴリ押しに負けちゃったのね~?」
「そうなんですユリア様!!」
あの後すぐに挫けてしまった私は、教室でユリア様と話していたのだけど……私達の横にはアルロス様が立っているのよね~!!
こんな状態じゃ、まともに話せないわよ!?
「ふーん、貴方がアルロス様ですのね?二度もエイミーちゃんを殺そうとしたとお聞きしましたが……その事について何も思わなかったのかしら~?」
「ふ、ふん。あれはエイミーが僕の邪魔をしたのが悪いのであってだな……」
「ふーん?だからって相手を傷物にしてもいいと仰るのですか~?」
す、凄い!さすがユリア様だわ。あのアルロスさまをガンガン推してるなんて!!
ユリア様、頑張れ~!!
「い、いやそこまでは……えっと、エイミーは傷物になったのか?」
「え?私は軽く怪我はしましたけど……一生残る傷はありませんでしたよ……?」
寧ろ助けてくださった騎士様は大丈夫だったのか心配なのだけど……。
「でも怪我はしたんだな?」
「ええ、まあ……」
じっと見つめてくるアルロスに、なんだか嫌な予感がするわよ。
しかもなんだかユリア様は楽しそうだし……もしかして応援する相手を間違えたかしら?
「わかった。俺は責任を取ってお前を嫁に貰う!!」
何でよ!!!???
そこは、謝るところでしょう!!!
しかもユリア様なんて、耐えられずに笑い出しちゃったじゃない!
「いや、その話待った!!」
しかも、まわりが聞き耳を立ててたせいで遂に殿下まで参戦してきたじゃないの!
「なんだ、お前。僕がエイミーにプロポーズしてるところを邪魔してくるなよ」
いやいや、どう考えても今のはプロポーズじゃないでしょ!?
アルロス様の頭の中はどうなってるのよ、助けてフィア様!!
「僕はこの国の第一王子であるクレス・グレフィアスだ」
「ああ、フィーリア様がよく話しているポンコツ婚約者だな」
「誰がポンコツだって!!?それより、お前がエイミーにプロポーズだと?一体何を考えているんだ」
「何をって、僕はエイミーと仲良くなったからな。それでとても気に入ったし、エイミーを僕が傷物にしたのなら責任を取るのは当たり前だろ?」
いつ、私達仲良くなりましたっけ!!??
まあ家にいる間に、少しは打ち解けましたけど……。
「だとしても、アルロス。君は順序がおかしいだろ?」
「順序……?」
「そうだ。まずは互いに両思いになって、それから手を繋いだり色んなことをして初めてプロポーズするもんだろ!?」
「で、殿下!?」
私、殿下のツッコミポイントが良くわからないんですけど!!?
でも周りで聞いてるクラスメイトも頷いてるからそういうものなのかしら……。
「そ、そうなのか……また僕は新しい知識を手に入れたぞ。エイミー、まずは互いの気持ちを知ることから始めるからな!」
「は、はあ……」
「放課後、僕とデートとやらをするがいい!」
「はぁ!!?」
完全に話から置いてけぼりの私は、頭がクラクラするのをおさえながら、とりあえず椅子に座り直してしまったのよ……。
それよりも殿下ってば本当にどうしちゃったのかしら、アルロスを後押しするようなこと言うなんて……本当に私のこと諦めたのかしら?
って、これじゃあ私が殿下を意識してしてるみたいじゃない!!
私が好きなのは護衛さんなんだから、でも殿下を見ていると何故か護衛さんの姿が被るのよね。
はぁ、早く護衛さんに会いたい。
こうして私は目が死んだまま、気がつけば授業が終わっていたのよ。
ああ、最悪な放課後よ来ないで!!!
そんな思いも虚しく、終業のベルは気がつけば盛大に鳴り響いていたのです。




