Wデートのような2
ついに護衛さんに会えると、フィア様の部屋で待っていた私は緊張にガチガチだったの。
ノックの音がした瞬間、私はドッドっドッドっと心臓が弾けそうになって手を彷徨わせてしまったせいで、ガチャリと扉が開いたとき挙動不審な動きを護衛さんに見られてしまったのよ!?
「…………」
「いや、何か言ってください!!?」
元から喋らない方だけど、なんだかスルーされたみたいで余計に恥ずかしいのよ!!!
そう思っていると、突然護衛さんは何故か私の方に近づいてきたのですけど!?
「ま、ままま待って下さい!!!!」
「…………失礼」
「って、なんで持ち上げっ?」
「庭園まで、運びます……」
え?庭園まで私を運んで下さるの!?
なんでかわからないけど、これはまさか全女性憧れであるお姫様抱っこ…………じゃない!!!!
「護衛さん?何故私を小脇に抱えて!!!?」
「持ち運びしやすいから……?」
「持ち運びやすい!!!?」
私は物か何かかしら???
いやいや、このまま運ばれるのは流石に女としてダメでしょ!!!
「護衛さん、この運び方は困ります!おろして下さい!!」
「…………?」
少し首を傾げた護衛さんはようやく私を下ろしてくれるかと思ったのに、何故?
「何故!?今度はダンスを始めているんですか!!!?」
そういえば、フィア様は護衛さんがだいぶ変な人だって言ってたけど……。
凄く変だわ!!!
前回はちゃんと命令を真面目にこなしていたから、つかず離れずで気づかなかったのね。
「あ、あら……凄い軽やかなステップ!!?」
凄く踊りやすいこのダンスのテンポ……!?
気がついたら私はフィア様の部屋から飛び出していたのですけど、もしかしてこのまま庭園に向かうつもりなのかしら??
「ご、護衛さんは何故こんなにダンスがお上手なのですか??」
「……少し、習ったので」
少し習っただけでこの上手さ……なんて天才的な才能なの!?
確かにあれ程の剣の腕をもっているのだもの、ダンスもお上手でもきっとおかしくないわよね……?
そう首を傾げたまま、本当に庭園まできてしまった私はもう息が上がって死にそうですけども?
さ、流石に距離が離れすぎよ!!!
「大丈夫か……?」
「はぁ、はぁ……いえ、大丈夫じゃないです……」
「それは、すまない……」
「……いえいえ、護衛さんはさんは私を庭園まで楽しませながら連れてきて下さっただけですよね?」
「!?」
思ったとおりだったのか、凄く頷いている護衛さんが少し可愛く思えてきちゃったわ!
これがもし殿下にされた事だったら、ガチギレしてるところだったわよ……ってまた、私ったら殿下の事思い出してるじゃない!!なんでよ!?
で、でもやっぱり護衛さんなら変なところがあっても、全く気にならないしドンドン良いところが見えてきちゃうわね!
よし、ここからは私のターンよ!護衛さんへのアピール、頑張るわ!!
「と、とりあえずフィア様達がこちらに見えるまで、少しお話しませんか……?」
「ならばあちらに座ろう」
護衛さんが指を刺している場所は……ハート型のトピアリーが沢山ある場所だわ!!
ま、まさか護衛さんも私のことを???
横に座ったはいいけど、ドキドキが止まらないのだけど!!!?それに周りのハートが恥ずかしいわ!!
「この場所……」
「え?」
「趣味悪いな」
「!?」
ええええええ!!????
特に意味があってこの場所を選んだ訳じゃないの!!??
1人で盛り上がって凄く恥ずかしいわよ!!!
「ご、護衛さんはこういう派手にデコレーションされている場所は好きじゃないのですか?」
「人工的に作られた場所は、少し……」
しまったわ!
何か嫌な思い出があるのかもしれないもの……今は触れない方がいいわよね!!
「それなら場所を変えませんか?他にも座るところは沢山ありますし……」
「いえ、大丈夫。何より貴女にはここが似合ってるから」
「……へ???」
いや、このタイミングで聞かれても?
どう言う意味で捉えていいのかわからないわよ!!?
本当に私にハートが似合ってるよ?って事なのか、それともこのハート達のような人工物がお似合いだ。とか言う意味ならさすがに私、泣いちゃうわよ!!
と、とにかく今は護衛さんにもうアタックをしないと……フィア様達が戻って来るまでそう時間はないはずなんだから。
「あ、あの……少し質問しても良いですか??」
「(コクコク)」
「ご、ご趣味みは!?」
「……強くなる事?」
「特技は?」
「……け、剣術?」
「やっぱり護衛だけあって、剣に関する物が多いんですね~」
って、これじゃあまるでお見合いの会話みたいじゃない!?
しかも護衛さんの答えは疑問系だしどうなってるのよ……!!
「あ、あの。私がもっと護衛さんと仲良くなったら素顔をいつか見せてくれますか……?」
「ダメだ」
「え……?」
即答された……。
「別に貴女がどうとこではなく、人に見せられる顔をしていない」
「わ、私護衛さんだったどんな酷い顔でも気にしません」
「見ていないならなんとでも言える」
「そうかもしれませんけど……でも、私はいつでも受け入れられる準備出来てますから!!」
言い切った私の顔は真っ赤になっているに決まってるわ。
だって、こんなの好意がありますって言ってるような物だもの。
「そんな日は二度と来ない……」
完全に拒否られた……。
それってつまり脈なしって事、よね。
で、でもエイミーまだ嫌われている訳じゃないもの、もっと仲良くなればチャンスはあるはずよ!
「わ、私どんな護衛さんだって受け入れて見せますので、もっと仲良くなりたいのです……」
「…………」
その言葉に護衛さんは返事をしてくれませんでした。
まだ会って2回目なのだから、やはり心の距離が遠すぎるのは仕方がない事よね!
でも、はじめてこんなにも気になる人に会えたのだもの……私、諦めないわ!!




