報告2
私は今、盛大に困っているわ。
何で、なんでいつも私に会いに来るくせに、今日に限って殿下が見つからないのよ!!?
いつもなら、すでに空き教室にいても良い時間なのよ?それなのに、ちっとも殿下は来てくれないなんて……。
もう、どうなってるのーーー!!???
すでにユリア様は、見張ってもらうために待機して待っていてくれてるのに、これでは申し訳なくなっちゃうわよ!!?
殿下、早く来てーー!!
と、思ったのに……その日、殿下が空き教室に来ることはなかったのよ……。
一体なんなのよ!?同じクラスなんだから、来ないなら来ないで先に言って欲しいわよ!!?
それから数日間、私は殿下に話しかけようと殿下を探して走り回ったのに、何故か気がついたらいつも殿下はいなくなっていたのよ!?
忙しいだけかもしれないけど、これじゃあいつもと逆じゃない!!
私が殿下を追いかけ回してどうすんのよ!!?
「もう、なにがどうなってるよ!!」
「エイミーちゃん落ち着いて」
「ユリア様!!もしかしてこれは私に彼氏が出来たと思った途端、殿下が手のひら返しをしたという事でしょうか??」
「そんなことないと思うわよ~。きっと殿下の事だから、結果を聞きたくないだけじゃないかしら?」
「結果を聞かなければセーフって思ってるってことですか!!?」
そんなのズルじゃない!!?
それにこのままだと、殿下に好きな人がいるって伝えられないし……。
「私、もう一度探してきます!」
「エイミーちゃん、殿下に会えてもくれぐれも気をつけてね……?」
「はい!」
そして私は殿下を探して探して探しまくったわ。
その結果……。
前に私が落ちた湖の近くに殿下の後ろ姿が見えたのよ。
「殿下!!ようやく見つけましたよ!」
「エイミー……何故ここが?」
「もう、何故じゃないですよ!?本当に学園内をくまなく探したんですからね!」
「エイミーが僕を?」
あ、あれ?おかしいわ……いつもの病気みたいなのが来ないわ!!!?
「ええ、そうですよ。ガーデンパーティーの結果を殿下に伝えようかと……」
「それなら、フィアに聞いたから大丈夫だよ?」
「ええっ!!?」
まあ確かに、あの日フィア様がいたのだから殿下に伝わっててもおかしくないわよね?
ならこんなに焦って殿下を探さなくて良かったんじゃないかしら……。
「それと、僕は……やっぱりエイミーが好きなんだ」
「えっと??本当にフィア様にお話聞いたんですよね?」
「その上で、こんな提案する僕を許してくれ!!」
え?なにを許せば!!?
諦めないから今まで通りよろしく!的な事!?
「僕は、暫くエイミーと距離を置くよ」
「へ?ええええええええぇええ!!!?」
で、殿下が!?あの殿下が!!?
流石に私の聞き間違いではないわよね?
「そんなに驚く事だったのか……」
当の殿下は、なんか違う意味でショックを受けてるみたいだけど、私にとっても色々とビックリなんですけど?
「ど、どうしていきなりそんな事を?」
「えっと、それは……も、もとから忙しいというのもあるし、エイミーに嫌われないために恋を邪魔しないようにしようかと思ってね……でも、もし恋の相談とかあれば聞いてあげてもいいよ?」
「えっと……殿下、頭でも打ちましたか?」
「な、なんで!?僕は正常だよ!!」
いや、正常なら絶対にそんな事いわずに喚き散らすはずなのに、何故かこれ応援されてない?
「僕はエイミーの事を諦めるつもりはないけど、エイミーに嫌われる方がもっと嫌なんだ……」
いや、なに言ってるのかしらこの人!!?
今までの事を思い出せば、十分嫌われてもおかしくないのに。
でも、そう思わないのが殿下らしいわよね……。
「わかりました。それでは今後の話し合いの場はどうしますか?」
「え、えっと……それなら、週に一度だけその相手との進捗を聞いても良いかな??」
「え?そんな恥ずかしい事、何で聞くんです!?」
「は、恥ずかしい事までするのか!!?」
「しませんけど!!!!!」
殿下は私の事が好きなはずなのに、他の人との話を聞いても胸が痛まないのかしら?
それとも、やっぱり本当は私の事なんてあんまり好きじゃなかったのかもしれないわ……。
って、なんで私が落ち込んでるのよ!!
「と、言うわけで僕は忙しいから……話し合う日は後日伝える。エイミー、またね!」
「あ、はい……」
そう言いながら走り去って行く殿下を見て、何故か丸く収まったはずなのに絶対に何かがおかしいと、引っかかってしまうわ……。
「あれは、おかしいわよね~!!」
「って!ユリア様!!?一体どこから??」
教室で別れたはずのユリア様が、何故か草むらからガサガサっと飛び出てきて、とても驚いてしまったんですけど!!?
「先に殿下を見つけてしまったから、エイミーちゃんが来るのを待機していたのよ~」
「ええ!?先に見つけたなら教えて下さいよ!!?なんで、待ってるんですか!!」
「だって~、すぐに移動しちゃうかもしれないじゃない?」
「まぁ、そうですけど……それでおかしいって言うのは?」
「勿論、殿下の態度よ~」
確かに、私もおかしいとは思っていたけど何が?と言われると、よくわからなかったのよね。
でもユリア様はもしかして、それすらもわかってしまったというのかしら?
「ユリア様は、何処がおかしいかわかったのですか?」
「殿下の態度はいつもより、オドオドしていたわよね?もしかして、何か隠している事があるのかもしれないわ~」
「隠し事ですか?」
「だから、エイミーちゃんの好きな護衛さんにすでに何かしているだとか、護衛さん事態が罠だとかあるかもしれないわ!」
「護衛さんが罠なんて……!」
「でもそうとは限らないでしょ?」
確かに護衛さんは、フィア様に紹介された人だけど……フィア様は私の味方をしてくれると言っていのよ。……でも実はそれさえも嘘と言うことも!?
「とにかく、全ての人を怪しんで行動した方が良いわよ~?エイミーちゃんは純粋なんだからね?」
「純粋!!?えっとそれはよくわかりませんが、ユリア様の言う通り気をつけてみます」
色々と気になる事は確かにあるけど、今は護衛さんにどうアタックするべきなのか、そればかり考えていた私は今の周りの状況を理解できていなかったのかもしれないわ。
だから一度冷静になるのも大事よね。
そう思った私は湖をずっと見つめることにしたのです。
ええ、一日中見ていたのでとても癒されましたとも。




