フィアのお部屋会議1(スペリア視点)
大事件です!!!
それはもう、大事件が起きたのです!!
「殿下!一体どうしたらこんなことになるのでして!?」
「いや、僕が知りたいよ!!!」
先程からフィア様のお部屋で、お二人が言い合いをしています。
実は今日の俺もフィア様に振り回されて大変だったのは、もう思い出したくないスペリアです。
それでお二人は何故こんなに慌てているのかといえば……。
「エイミー様が、殿下の変装していた護衛の姿に恋をしてしまいましたわ!!!」
その事を聞いたときは、俺も目が飛び出るかとおもうぐらい驚いたものです。
というより、フィア様。それ殿下に言っていいのですか?
「これは、喜んでいいのか?駄目なのか???」
「駄目に決まってますわよ!!!もし、バレでもしたらエイミー様に嫌われましてよ?」
「そ、そんなに!!?」
「それにしても、声を低くしただけでバレないなんて……エイミー様は鈍感でいらっしゃるわ!」
それは、俺も思いました。
殿下が声を発されたとき、全部終わったなと思ったのに……いや、本当なんで?
「でもこれで本当は、エイミーが僕の事を心の奥では好いていたということには……」
「なりませんわ!!!」
「そ、そうなのか??」
「寧ろ、殿下とは真反対の人間が好きと言う事ではなくて?」
明るくてうるさい殿下と、無口でクールな護衛。
うーん、これは後者の方がカッコいいかもしれない。
「何故だ!?どちらかと言えば普段の僕っぽいのに???」
「ご公務中はそうかもしれませんけど、ワタクシ達からしたら普段はこちらだと思いましてよ?」
「お2人とも、そんなことよりも今後の事について気にしたらどうですか?」
このままだと一生話が進まなさそうなので、つい話しかけてしまいましたよ……。
「流石スペリア様、そうですわよね!エイミー様は今後も護衛に変装している殿下にお会いしたいと仰っていらしたわ!」
「僕も満面の笑顔のエイミーを見たら、つい頷いてしまったよ……」
きっと殿下からしたら、久しぶりに見た本当の笑顔だったのでしょうからね。
それは仕方がないと思いますけど、そこは頑張って耐えて欲しかったですよ!!?
「では、もう暫く殿下には変装して頂いて、エイミー様に諦めてもらうように動くしかありませんわ!」
「そ、そんな!!僕にエイミーを拒めと言うのかい??」
「その通りですわ!」
「そ、そんなのってないよ!?」
「ですが、これで普段のエイミー様がどれだけ頑張って殿下に嫌われようとしているのか、わかるかもしれませんわよ?」
確かにフィア様の言う通り、殿下はもっとエイミー様の気持ちをわかった方がいいと思うのです。
ついでに、俺の苦労もわかっていただけたら助かるのですけど……。
「そ、そうだな。相手を好きになるために、相手の事を知る。これは大事なことだ!!そう思うよな、スペリア!」
「なんで私にふるんですか!!?」
「スペリアがそうだと言えば間違いないと思ってだな……」
「そうですわね。スペリア様が言うのでしたら、きっと間違いありませんわ!!」
何でこの2人は俺の発言にそんなに信頼してるんだよ!?
とくにフィア様は目を輝かせないでください!!
「そ、そうですね。一度エイミー様の気持ちを理解して向き合えば、もっと好意的に見てもらえるかもしれませんよ?」
「な、なるほど!さすがスペリアは言う事が違うな!」
「そうですわね!!」
年齢=恋人なしの俺の意見をこれ以上鵜呑みにするのはやめてくれ!!?
いつもあとで思い出して、恥ずかしくてゴロゴロしているんですよ!!!
「ご、ごほん。それよりも、殿下は学校でエイミー様と今後どうやってお付き合いするおつもりですか?」
「え?」
「きっとエイミー様は、好きな人ができたから諦めて欲しいと殿下に言ってくるはずです。それにどうお答えするのが正解なのか……それを考えた方がよろしいかと」
「確かにスペリア様の言う通りですわね……。ここは潔く一度距離を置いてはどうでして?」
フィア様の質問に殿下は葛藤しているのでしょうか、少ししょんぼりしながら一生懸命考えているみたいですね。
「わかった。僕はこの護衛役を一生懸命頑張るかわりに、本来の僕はエイミーと距離を置くことにする」
「ええ!?大丈夫ですか???」
というか、あの殿下が??
つねにエイミー様に告白したいと言っている、殿下が!!?
「殿下、そんな事をしたらエイミー様に愛の囁きができな過ぎて、発作を起こしたりしませんよね?」
「スペリアは僕の事なんだと思っているんだ??」
「エイミー様大好き人間ですけど……?」
「間違ってないけど、なんかその言われ方は嫌だ!!」
叫んで、すぐに冷静になった殿下はガクリと肩を落としていた。
「殿下、そう落ち込んでる時間はなくてよ?」
「え?それはどういう……」
「今日から護衛について、役を完璧にこなして頂くためのレッスンをおこないますわ!覚悟しておいて下さいまし……」
「ひ、ヒェッ!!」
ニッコリ笑うフィア様が怖くて、俺と殿下は震え上がってしまいました。
そしてようやくそれが終わって、王宮に帰ろうと思ったころ……。
「スペリア、こんな後ですまないが調べて欲しい事がある」
「はい?」
え?今日の業務はこれで終わりじゃないんですか!!?
そう思っても、それを口にはだしませんとも。
「カロス・ブラストルについて調べでくれないか?」
「ブラストル伯爵の長男ではなかったですか?」
「そ、そうなんだが……今日、カロスとエイミーが話しているところを聞いてしまってな。幼馴染みというのは知っているのだが、どうもあのカロスと言う男はエイミーに気があるのではないかと、気が気ではないのだ!!」
「はぁ!!?」
確かブラストル伯爵は、長男に早く嫁をもらって欲しくて焦っている。なんて噂は聞いたことありますけど……。
そんなエイミー様に気があるから、なんて訳ないですよねー。
「と、言う訳だから至急頼む!!」
「いや、至急って!俺残業……」
「大丈夫だ!僕も残業だ!!」
それは殿下が忙しいのにこんなところに来たからでしょうが!!!?
こうやって巻き込むのはやめてくれ!!!
こうして、俺は今日もまた残業をすることになったのです。
もうこれ以上、次から次へと問題を起こすのはやめて頂きたいものですよね……。




