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好きな人探し1


 流石、侯爵家でもとくに富と栄光を手に入れたブレイズ侯爵家だわ。

 ガーデンパーティーのはずなのに、まるでお城の中にいるような気分……って言うかほぼお城の中だわここ!!


「あのフィア様、ここの庭園はお城の中にあるんですね……」

「いえ、それっぽく見えるだけで流石にお城というわけでありませんわ」


 外からだと、どう見てもお城にしかみえなかったのに!?

 まあ室内なのに庭園というのも意味がわからないけど、それでも色とりどりのお花やアーチがあって、階段の横は滝のよになっていてとてとオシャレだわ。


「それにこの庭園は魔法で一日中最適な気候を作り出していますから、外である必要がないので雨の日でも安心してガーデンパーティーが開けますのよ?」


 この庭園自体も凄いけど、なによりもそれ専用の魔法使いを雇う金がある事が驚きなんですけど……。

 でも前にフィア様が、王宮の庭園を雑草と言っていた理由がわかった気がするわ。

 こんなの見せられたら、王宮の庭園がしょぼく見える気がするもの。


「それから、今日一日フィア様を護衛する方を紹介しますわ」

「護衛?」

「ええ。ワタクシこれでも一応侯爵家の娘ですから、そんなワタクシの友達となった貴女に、危害を加える物が現れてもおかしくありませんわ」

「フィア様……」


 侯爵家ってだけで、やはり大変な目にあっているのよね。これからは巻き込まれる可能性もあるのだから、これぐらい慣れないとダメよね。


「それで、この方があなたの護衛ですわ」

「えっと、よろしくお願いします」


 普段の護衛でさえも全身鎧で顔も見えないなんて、流石ブレイズ侯爵家……よくわからないけど凄いわ。

 それにしても、護衛さんに挨拶したのに返事がないのだけど……?


「彼は口下手なのでほぼ喋りませんし、エイミー様の邪魔はしませんので放置で大丈夫ですわ」

「わ、わかりました。気にしないように頑張ります!」


 ん?なんか護衛の方が、ガタガタっ!って動いた気がするけど……気のせいかしら?


「ゴホン、では今日の段取りをお伝えしますわ!」

「お願いします」

「ガーデンパーティーはお昼からですわ。参加者は30名で男性18名の女性12名、年代は15~20歳で構成されていますのよ。それに全員裏の裏までしっかり調査済みですから、安心して素敵な殿方を探してくださいな!」

「えっと、それは嬉しいのですけど……お昼からなら何故こんな早朝に?」


 そうなのです。私が侯爵家に呼ばれたのは何故か早朝で……眠い目を擦ってここまできたのに、お昼まで特にする事もない気がするのだけど……?


「全く、何を言っておりますの?」

「は、はい?」

「エイミー様は今日、何しにここへいらしたのかしら?」

「えっと……、彼氏を探しに来ました」


 ガタガタっ!!


「え?」


 なんだか、また護衛が激しく動いたような気がしたけれども、気のせいかしら……?


「で、でんっ……落ち着いてくださいまし!」

「えっとフィア様?私は落ち着いてますけど?」

「そ、そうでして?ワタクシったらエイミー様が取り乱したのかと思ったのですけど……き、気のせいだったみたいですわ。お、オホホホ!」


 完璧なフィア様でも聞き間違えたり取り乱す事があるのね?

 以外過ぎで、少し親近感がわいたわ!


「そ、それからもう一度確認しますけど、エイミーさんは彼氏をつくりにきたのですわよね!?」

「はい、そうですけど……?」

「では、よろしくて?彼氏を探すと言う事は、可愛い自分をアピールしなくてはならないと言うことでしてよ?つまり!オシャレをすると言う事が、ワタクシとても大事だと思うのですわ!!」


 捲し立てるように説得されているけど、全く頭に入ってこないわ。

 だって───。


「フィア様、どうして護衛の方を押さえつけているですか……!?」

「こ、この方が押さえやすいところにいたのでつい。そう、ついですわよ!!」

「つい!!?」


 フィア様は押さえやすいところに人がいたら、押さえつける癖でもあるのかしら?

 なるべくフィア様には近づき過ぎないように気をつけるしかないわね……。


「そ、それよりも!早くエイミー様を可愛く着飾るために、ワタクシの部屋へと行きますわよ!!」

「あ、はい。って……え!?フィア様のお部屋に行って着飾る!!?」

「エイミー様は素朴で可愛らしいですけど、もっと磨けば光と思いますのよ?」


 素朴って言うのは地味という事よね?それなのにフィア様はオブラートに包んで下さったのだわ!

 それなら、地味でも頑張って可愛くできるとこまでしてみせますから、見知らぬ殿方達待ってて下さい!






 そう思って、フィア様のお部屋にあるドレスルームに入ったのだけど……。

 えっと、ゴシックで奇抜な服しかないわ!!?


「エイミー様とワタクシ、あまり背丈が変わらないと思ったのですけど……胸囲の差がありましてね?」

「いや、問題はそこじゃないです!!」


 確かに、それもあるけど!!

 フィア様は立派な物をお持ちですけども、それ以前にこれを私が着たら笑い物にされちゃうわよ!


「あら?じゃあ何が問題なのかしら……?」

「いえいえ!!……服は、大丈夫です!これでも私の一番お気に入りのドレスを着てきたのですよ?だから諦めます!」

「お、お気に入り……?確かに薄ピンクの淡い色が純粋無垢なエイミー様を引き立てているような?」


 いや、純粋無垢じゃないですけど???

 フィア様は絶対に殿下から私の変な知識を植え付けられてる気がするのよね……。

 って、考えてたらすぐ近くに護衛さんが!?


「…………っ!」

「あ、護衛さん。何ですか?フィア様、護衛さんが何か言いたいみたいなのですけど?」

「あ、あらあら!エイミー様、少しお待ちになって下さい!」


 凄い勢いでフィア様は護衛さんを連れて言ってしまったわ。

 にしても、流石侯爵家よね。護衛が喋るのにも許可がないといけないなんて……と、思ってる間にもう戻ってきたわ。


「エイミー様、お待たせいたしましたわ!」

「あ、はい。護衛さんはなんと?」

「それが護衛から提案がありまして、エイミー様にはアプリコットの花でできたコサージュが似合うと……色合いもいいですし、ワンポイントとしてつけてみてはいかがてして?」


 え、何で護衛さんが提案を!!?

 いやいやきっと質素過ぎる私が可哀想で、一生懸命考えてくださったのかもしれないわよね!


「えっと、それならつけてみます……そのコサージュはあるのですか?」

「はい、こちらにご用意がありますのよ!」

「じゃあ、お願いしてもいいですか?」



 こうして、護衛さんに勧められたコサージュをつけた私は、さらに化粧や髪型を整えてもらいパーティーに参加する事ができたのです。


「護衛さんはセンスがいいのですね?このコサージュとても服と合っていて助かりました!」

「…………」


 とりあえず護衛さんにお礼を言ってみたけど、頷くだけでやっぱり喋ってはくれませんでした。

 でもそのせいで、なんだか護衛さんのことが気になってしまう私がいたのです。


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