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パーティー1


 ついに卒業パーティーの日がやってきたわよ。

 毎年王宮の一部を解放して、全校生徒が集まっているらしいこのパーティ!

 私も一度は行ってみたくてずっと楽しみにしていたのよ!

 そしてなにより今日は、殿下が婚約者様といらっしゃるために、脅威に晒されることもなくて、私は自由なのよ!!オホホ!


「エイミーちゃん、凄く楽しそうね?」

「ええ!何といっても、今日の私は誰にも邪魔されることはありませんからね!」

「う~ん、どうかしら?」


 なんで微妙そうな顔するんですか!!?

 え?ダメ?殿下くるの??やめて下さい!!!


「まあ、それは置いといて……エイミーちゃんをエスコートしてた幼馴染みの方は?」

「あいつなら、さっさとどっかに行きましたよ!まあ、今年卒業ですから忙しいのではないですか?」


 いつも嫌味を言ってくる嫌な男の事はポイっとしましょう、ついでに殿下の事も忘れて……。

 せっかくのパーティーですからね、美味しい料理を堪能するわよ!!


「卒業パーティーとはいえ、私たち一年生は雰囲気を知るために呼ばれただけですから!ユリア様、今年はゆっくり見てまわりましょう~」

「ウフフ、エイミーちゃんとご一緒出来て嬉しいわ~」

「あ、でもユリア様の婚約者の方は……?」

「彼にはすでに、今日絶対に話しかけて来ないでって伝えてあるから大丈夫よ?」


 え?婚約者の扱いそれで大丈夫なの!!??



「それにしても、私先程からずっと気になっていたのだけど……」

 

 ぎくり、私も気になってたから言わなかったのに!!?


「何故かしら?私達の周りだけ、逞しい方々が多くないかしら?」


 ですよねーー!?本当、おかしくない!?

 こんなにもパーティー会場は広いのに、なんでここの周りだけ厳つい人ばかりいるの!??

 この人達騎士科の生徒さんかしら……ソレ以前に本当に同じ学生なの?


「なんだか少し怖いので、他の場所に行きませんか?」

「そうですわね~」

「とりあえずあちらの料理を見に行きましょう!」


 これでここから離れられる!!

 そう思ったのに……!


「ね、ねぇ。エイミーちゃん?」

「言わないで下さい!!」

「あの人達、何故か同じ方向に来てないかしら?」


 ですよねーー!!!?

 先程から何度場所を移動しても、なんでか私達の後をついてくるのよ!なんで!!?

 はっ!!そうか、わかったわよ!!


「まさか、私達を誘拐しようとしてます??」

「少し飛躍しすぎだとは思うけど、逃げた方がいいかもしれないわね……」

「ユリア様、この会場を一緒に抜け出しましょう!!!」


 とにかく、ここを出て向かう場所は……庭園がいいと思うのよね!

 王宮の庭園ならこの間いったばかりだもの、少しなら私もわかるわ!



「ユリア様、ついてきています?……あら?」


 なんで?振り返ったら誰もいないの!!!?

 調子にのって走り過ぎてしまったのかしら?

 こ、ここ困ったわ!一人にされると急に怖くなってきたんだもの……。


「いたかー?」

「こちらには見つけられなかった!」

「あっちはまだです!行ってみます!!」


 嫌だわ……先程の厳つい方々じゃない……?

 もしかして、私を探しにきたのかしら!?

 どどど、どうしよう!!?

 とりあえず草の隙間に隠れてやるんだから!!

 ガサガサしてチクチクするわ!でも今は我慢よエイミー!!


「まだ見つからないのか!?」

「いえ、それが……」

「あっちにもいません!!」


 どんどん声が近づいてきているわ!

 大ピンチよエイミー!!もう涙目よ!

 でも、ここで焦ったらダメ!深呼吸して、祈るのよ!!

 誰かが助けに来てくれるのを……!


 お願い助けに来て、私の王子様!!!



「エイミー!!!」


 王子様……?


「こんなところにいたんだね!探したんだよ?」


 王子様じゃない!!で、でで殿下ーー!!!?


「大丈夫かい?エイミー。……エイミー?」

「……こ、怖かった!!厳つい男の人達に囲まれて追いかけられて……っひぐっ……」


 殿下が来て驚いたけど、それよりも余りにも怖かったんだもの、ホッとして涙だってでるわよ!

 だから、今だけは殿下に抱きついても許されるわよね……それになんだか殿下が、まるで私の王子様みたいに少しかっこよく見えてしまって、頭が混乱しているんだもの。

 だから顔は見たくない、殿下をあの王子様と認めたくないわ……。



「エイミー、もう大丈夫だよ?僕がついてるから。ほら、泣かないで……泣き顔も可愛いけど、僕は笑顔のエイミーの方が好きだよ?」

「で、でんかぁ……、今そんな事言ってる場合じゃ!!あの人達は何だったんですか?」


 殿下がここに来てくれたと言うことは、もう大丈夫なんだろうけど、何故追われていたのかは気になってしまうわ。


「えっと、その……彼らはエイミーの護衛として僕がつけた人達だったんだけど……」

「……へ?」

「どうやら、エイミーをだいぶ怖がらせてしまったみたいだね?」

「もう!!全部殿下のせいじゃないですか!!?」


 少しでも殿下がかっこいいとか思った私のバカバカ!!!やはり殿下は殿下よ!全然王子様なんかじゃないわ!!


「でも僕はエイミーのことが一番大切だから……例え君に嫌われても君を守りたいんだ」


 そんなジョンポリされても、私は流されませんから!

 だから言い過ぎたかなと思っただけで、本当に流されたとかじゃないですからね……。


「その気持ちは素直に嬉しいのですよ……まぁ、少しやり過ぎだと思いますが、確かに私が早とちりしたのも悪かったのですし、だから今回はおあいこということで……」

「エイミー!!!!」

「ちょっと殿下!!?」


 抱きついたのは私ですけどさらにギュッと抱きしめないで下さい!!!

 なによりも私とあなたは赤の他人なんですよ!!


「も、もう!離して下さい!!」

「いやだ!僕はエイミーが好きだから離したくない!」


 いやいや、ちょっとまって!!

 今気がついたけど、さっきから厳つい護衛さん達がこっちを見てるんですけど!!?こんなところ見せたら私殺されたりしない、ねぇ!!?

 それにさっきから殿下を引き剥がそうとしても、全く剥がれないんだけど???


「ええい、殿下!いい加減離して下さい!!!」

「もう少しだけ!!」


 もう少しってどんなけよ???

 もう!誰か助けてーー!!!!



「殿下、そろそろお時間が迫っまていますよ?それにエイミー様が困っていらっしゃいますから……」


 天の助け?あら、いつも殿下と一緒にいる従者のスペリア様だわ。

 なんだか地味仲間な気がして親近感が湧いちゃうのよね~。


「む、もうそんな時間か……名残惜しいけどアイツがくる前に急ぐとするぞ!」


 ようやく殿下が離れてくれたわ。

 でもここからパーティーに戻ることを考えると少し嫌な気分になるわね……。

 そう思って、私はため息をついてしまったの。


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