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おんけい を もらった!

10分で考えた設定を全力で書くやつです。筆休めに書く予定。

一言でいうと『異世界転生した若き天才が受けた恩恵を捨てて人生の縛りプレイをする物語』です。


 小さいころからだ、ふと考えることがある。『才能とは何か』と。

 例えば『全国規模のテストで一番の成績を得る』こと。これは才能だろう一番は並みの努力や知能で得られるものではないし、前者であるならばそれも一つの才能だ。

 才能は人生のあらゆる局面で有利に働く。

 能力そのものだけでなく、切り札を持つ心強さも含めてだ。

 だがそれは自らの才能を快く思う場合の話。

 つまるところ俺は自分の才能が消えて欲しかった。



 トラックに正面衝突、よく聞きはしないがなくはない話だ。

 遺体の損壊は激しく遺族がそれを見ることを考えるとゾッとする。……けどどうでもよかった。それが自分の身に降りかかるまでは。


□■□


「えーというわけで君はトラックに撥ねられ、10時間もがき苦しみ息絶えた訳です、かわいそー」

「で、ここは天国かなにかか? どうでもいいけど」


「うーん冷静、死んだんだよ君?」

「悲しむ友や遺族も居ねぇ、むしろ死んで清々した奴が居るんじゃねぇの?」


「……経歴を見ると、どうやらそのようで。直近の善行が1年前って、とんだクズ野郎ですね、まぁそんな人間なんてありふれてますけどね?」

「んなことよりこれから俺はどうなるんだ? 輪廻転生か? いや地獄に落とされるか?」


「まぁそれでもいいですけど……やっぱり気が変わりました! 選ばせてあげましょう」

「地獄か輪廻転生なら転生がいいかな、来世は平凡な人間になりますよーに」


「違います、選択肢は三つ! 輪廻転生か地獄か……異世界行き!」

「イセカイ? 創作でありがちなヤツか……輪廻転生と似たようなもんだな」


「今ならなんと特典付きでお得になっておりまして……携帯会社の乗り換え割りみたいなものですね」

「“お得”ねぇ、タダじゃないと言いたそうな口ぶりだな」


「ほほうさすが“天才”ってだけはありますねぇ、見逃さないとは」

「……てめぇ、煽って冷静さを欠かそうって事か? その手には乗らんぜ」


「あははホントに怒るんですね、ごめんなさい。これは禁句、と。タダじゃないのは本当で“ある依頼”をお願いしたいと考えています」

「それで中身は?」


「はい、実は君より前に転生させた子がいまして、その人物が危機に直面していまいして……」

「乗った、助けろと俺に白羽の矢が立ったのか。それで報酬は?」


「話が早い! っていうか詳細は聞かないんですか!?」

「別に、暇だしな。んで、報酬」


「えーと、じゃあ“自由”なんてどうです?」

「具体的に頼む」


「神の権能を差し上げます。この世のすべてですね」

「破格だな、そんなにソイツが大事か? 力をなげうつほど」


「疑っていますね? それなら、ほら。頭の中に好きな物を思い浮かべてください」

「ふむ……!? これは便利だな」


「ゲームソフト、ですか? まあいいでしょう、今権能の一部を貸し与えました、前金と思って下さい」

「扱える力が頭に浮かんでくるな、“空想具現化”に“極限環境適応”に“言語自動通訳”etc.」


「あくまで一部なので世界に干渉はできるものはありませんけどね。まぁ君は元からスゴイですからショボく感じたら申し訳ないですけど、いらなく感じたら譲渡、なんなら紛失しても構いません、望むなら補填しますから」

「飽きるまでは使うさ、それで異世界行の便はいつだ?」


「望むのなら今すぐにでも、っていうかなんかノリノリですね? 生前はそんな性格じゃなかったような……」

「“自由”なんて持ち出されたら誰でもそうなるさ、未だかつて人類が得たことの無いものなんだからな」


「それは……なによりです。では手配しましょう、○○発異世界行の便フライト時間は1コンマを予定しております、多少の揺れはご勘弁を」

「武者震いさ」


「ふふ、ではいってらっしゃいませ“万能のレオ”様。依頼の詳細は添付しておきますので。期待しております」

「グッドラック」


 才能は結局のところついて回るものらしい。

 が、しかし“すべて”手に入るとあれば目的と手段が一致する。

 すべてを得ることはすべてを失うこともできるからだ。

 それまでの一時、異世界旅行を楽しもうではないか。


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