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悪役令嬢、咲き誇る!!!!  作者: みゃと
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Episode・4

愛梨と話し終わったところで、早速鳳城家の食堂に向かう。


『遅れてすいません。』


私以外は全員食卓についていた。


「少しくらい大丈夫だ。何か困ったところとか無かったか?」


『えーっと、私が書いていた日記とかないでしょうか? 少しでもなにか思い出したいので。』


「うーんそうねぇ、最近の葵ちゃんはあんまり自分のことを教えたがらなかったからねぇ……」


『そうですか……』


「ま、お腹も空いてきたしお夕食を食べながらゆっくり話していきましょ?」


『はい。』


「「「いただきます。」」」


???……皆いただきますって言いながら、手を合わせてるけど、なに?


「いただきますって言う時にはね、手を合わせてお祈りするのよ?」


『お祈り? 何にですか?』


「宗教もいろいろあるが、うちは特にこれといったのはないから、食べ物たちに、だな。」


どうやら日本独特の文化みたい。


命をいただきますという意味らしい。


(お肉とか、気にしたこと無かったけど命を貰ってる、ね。……何だかすきかも、いただきますって。)


使用人さんが運んで来てくれる料理は凄く美味しい。


『とても美味しいです』


「ふふっ。あとで、料理長に聞かせたいわね。」


「アイツなら涙を流して喜ぶぞ?」


そんなふうに和やかに始まって行った夕食。


(今なら聞けるかしら?)


『あの、前から気になっていたんですけど。皆さん揃って少し前から私が変わっていったと言われますけど、私、何をしたのですか???』



一気に場が冷めた気がする。


(あー、やっぱりそんな酷いことをしてたのかしら?)


みんな黙っているとき、裕翔さんが口を開く。


「言わなきゃダメだろ。こいつのため思ってんなら。」


「そうね。すこ「私から言おう。」」


お母様に被せて、お父様が言う。


「葵は中等部…2年くらいか?までは優しく、良い子だった………」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



話をまとめるとこうだ。


鳳城家はかなり大きな財閥で、やっかみも多いという。しかしそれ以上に鳳城 葵という人柄に惹かれ友人、味方となる人の方が多かった。


が、どの世界でも嫉妬、いじめは姑息なもので、

友人達のの見えぬところでは、色々あったという。


幸いにも金はあるので、教材などを隠されても替えはある。


また、いじめた人達、その家族等が悲惨な事になるのは嫌だといい、大した処罰などを葵が望まなかった。


本人がそういうのならといい、周りも注意、警戒はしたが、家の圧力などは使わなかった。




そして、ある日、葵はまた呼び出された。


大丈夫だからと言って、葵は空き教室に行き、泣きながら出て行ったのを見た者がいたという。


次の日から、葵は変わった。


友人らと行動を共にするのを避け、家族とも関わりを持つのを断ち切ったという。


後日、葵が変わった日に呼び出しをしていたグループに義弟、裕翔が呼び出された。




彼女らによると、今までしてきたことは謝る。


先日も、少し悪口を言ったらいきなり葵が泣き出した。

と思ったら、今まで我慢してきたことの仕返しと言ってカッターを向けてきたという。


本当かと裕翔は葵に聞いたが「だから何」と睨まれながら言われたそうだ。


周りもにわかに信じがたかったが、葵の変わりようを見て反論できなくなったそうな。


家族とは滅多に話さなくなり、使用人には無理難題を押し付けて、自分に近づけないように。


大丈夫か?何かあったのか?と葵に近づくと、解雇するぞと脅し、人をそばに置かなくなった。


少し経てば治るだろうと思っていたが、気づいたら1ヶ月、1年と過ぎ、今もそのまま。


今回の事故は、外で葵が車に自ら突っ込んで行ったということで、自殺ではないか。とされている。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



(何かもっと酷いことをしてたのかと思ったけど、あんまり元葵悪くないんじゃない??ていうか私これからその学園行くんのよね。)


「私、葵ちゃんが事故に、自殺しようとしてたって聞いて、もぅ……」


お母様は俯いて泣かれていらっしゃる。


「俺はこの家で特に葵と仲良くやっていたと思う。実際にいじめられていたのは俺じゃないから、葵の気持ちなんかわかんねぇけど、あの日葵に泣きながら睨まれて、あぁ変わったんだなって思った。」


「私たちがもっと葵の状況に気遣ってやれたなら、こんなことにはならなかったと思う。

覚えていないかもしれないが、本当にすまなかった。」


お父様が頭を下げた。


「私も。」


お母様も謝られた。


「なら俺も、一番近くにいたのは俺だし。」


『あの、話を聞くに、私はいじめに耐えられずに人格が変わってしまったということですよね?』


「ああ、そうだ。」


(何か引っかかる。でも……)


『なら、お父様達は悪くないと思います。私が何をされたか分からないけど、でも悪いのは間違いなくそのイジメの犯人達だと思います。なのでどうか頭を上げられてください!』


「ごめん、ごめんね葵ちゃん……」


「ありがとう、葵。これからは私達が必ず守る。」


「ちょっと先に戻るわ」


そう言って裕翔さんは部屋に帰った。でも去り際に耳が少し赤かったのは……知らないふりをしようか。




そうして大団円?のようになって、今日の夕食は終わった。



私の胸に少しの引っ掛かりを残して……









あけおめ・ことよろです(๑•̀ㅁ•́ฅ✧

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