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岩崎義男は眠れない  作者: やほ
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エピソード2

 その日の午後、岩崎は車を運転しある場所へと向かっていた。目的の場所に着き車を停める。

大きな商業施設だった。岩崎はその一階にあるテナントへと慣れた様子で入っていった。テナントの

看板には「大空食堂」とあった。


「こんにちわ」

入ってすぐ女性が岩崎に声をかけてきた。とても笑顔の素敵な50代くらいの女性だった。

「岩崎さんですか?」

「はい。お電話させて頂いた岩崎と申します。」

岩崎はそういうと軽く会釈した。


「本日は本当に来てくださって有難うございます。お電話で一度お話ししましたね?

改めて、私は上野です。今日はよろしくお願いします。」

「こちらこそよろしくお願いします。」

岩崎はそう言って再び上野に会釈をした。


上野が岩崎を皆に紹介するといい奥にあるキッチンへと先導した。キッチンには女性が2人

作業の準備だろう、買い物袋に入った食材を出しているところだった。

「新しいボランティアさんを紹介します。岩崎さんです。」

上野はそういうと岩崎に笑顔を向けた。岩崎はそれを確認しキッチンに立つ女性達に向かい挨拶する。

「ボランティアできた岩崎です。」

そう。大空食堂とは孤児達のために食事を無料で提供するボランティア施設だった。

岩崎は前もってその日から週に一日、ボランティア活動をするため施設の責任者である上野に

コンタクトをとっていたのだった。

「本日はよろしくお願いし。」

岩崎はそう言って一礼した。


二人は温かい笑顔で岩崎を迎え入れ、どうぞとキッチンに招きいれた。

「私は田中。こちらは吉野さんです。改めてよろしくお願いしますね。」

田中と名乗る女性がそう言うと

「紹介預かりました吉野です。」

と、吉野は岩崎に会釈した。

それを見届け上野はエプロンのボタンを留めながら

「じゃあ、私は子供たちを迎え入れる準備をしますね。」

と言いテーブルを拭き始めた。


残された岩崎は田中と吉野に指示を仰ぎ、手慣れた様子で調理を始めた。

岩崎は元々調理人だった。

そして30分後、食欲をそそる香りが施設を覆い始めた頃、ドアが開いた。

施設利用者。つまり子供たちがやってきたのだった。

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