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岩崎義男は眠れない  作者: やほ
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~それでも眠りたい~

 岩崎義男。年齢36歳独身。職業なし。実家暮らし。まさに絵にかいたようなニート中年な岩崎。


もそもそとベッドから起き上がり枕元にある携帯電話で起床時刻を確認した。15時。その日、岩崎が寝付いたのが朝方7時だから、およそ8時間寝たことになる。岩崎は真っ先に歯磨きをしに洗面所へと足を運んだ。

鏡に映る不摂生な体を確認し、歯ブラシを手に取り欠けた前歯を特に念入りに磨く。まだ眠いのか時々、大きくあくびをする。歯磨きが終わり、顔を洗い台所へと向かい、病院で処方された薬を飲んだ。


岩崎は不眠症治療を受けていた。薬を飲み終わると台所のラックにぶら下げたバナナを一本とり、皮をむき

食べる。

その習慣をつけたのは母親からもらった本に朝にバナナを食べると目が覚め、夜は眠気を誘う効果があると書いてあったからだ。朝食が終わると岩崎はおもむろに着替え始めた。起きた時の散歩のためだ。


玄関を開けるとじめっと肌にまとわりつくような風を感じた。まだ夏だった。とは言え、前日から天気が崩れていて曇っている。太陽の光を浴びるために始めた活動だが、この日はどうも適しているとは言いがたそうだだ。それでも日課なものだから岩崎はぶらりと歩き始めた。距離にして1キロほどをゆっくりと歩き時間にしておよそ30分歩いた。

帰ってくるとじんわりと汗がにじむ。岩崎は再び洗面所へいく。シャワーを浴びるためだ。着ていた服を脱ぎ捨てシャワーを浴び新しく用意してあった服に着替えた岩崎は部屋にもどりテレビの前にある椅子に腰かけ、目の前においたテーブル上に用意してあるメモ帳に眠りについた時間と起きた時間を書いていった。

メモには10分のデータが載っていた。不眠治療に取り組み始めて10日経っているということだ。


不眠症といえばイメージとして何日も寝れないというのが世間的なものだろう。

だが実際の不眠症は様々なものがある。朝、早く起きすぎてしまうというのも不眠症だし、夜お酒を飲まないと眠れないといったものも不眠症になる。岩崎の場合、ベッドに入って30分経っても寝付けない。眠ろうとすると足が熱くなりむずむずしてしまう。

仮に上手いこと寝付けても、眠りが浅く寝た気分になれない。だから、長く寝ていようと日中には再び強烈な眠気が襲ってくる。これが岩崎の抱える不眠という症状だ。


岩崎は椅子に座ったまま、くれ行く空を見つめていた。

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