大切な人
「鈴様どちらへ行かれてらしたんですか」
「ちょっと買い物よ」
「困りますお一人で動かれますともしものことがあったら」
家に帰っても自由はなかった・・・
それから数日後
「鈴ただいま」
「お母様お帰りなさいお父様も」
「元気にしてたかい」
「えーとっても」
「今日はお前にいい話がある」
「いい話?」
「あーごらんおまえの婚約者だ」
いきなり何を言い出すのかと私はそう思った。
「何を言ってるの私まだ中学生だよ」
「だからだよこの方は父さんの友人の息子でお前のことを気に入ってくれたそうだ」
「いや・ぜったにいや」
「鈴待ちなさい」
何が婚約者よ
私の気持ちなんて知ろうともしないで
「鈴じゃないか」
「光君私どうすれば」
「ん、ここは」
「気がついた」
「光君私」
「心配しなくてもいいここ俺んち」
「私ごめんなさい」
「いいよゆっくり休むといいよ」
「光はいるわよ」
「俺の母さん」
「はじめまして光の母です」
「はじめまして水島鈴です」
「ゆっくりして行ってね」
「すみませんご迷惑をおかけしてしまって」
「いいのよ」
「もしもし」
「鈴どこにいるの
帰ってらっしゃい」
「嫌です絶対に帰りません」「何かあったのか」
「お父様が婚約者だって写真を見せられて私好きでもない人と結婚なんてしたくないのに」
「そっか俺んちだったらいつまでもいていいぞ」
「でも迷惑じゃないの」
「ばーか気にすんなって」
「ありがとう」
「今日はゆっくり休め」
「うんありがとう
次の日
「ふぁーねむ」
「こら光何してるの遅れるわよ」
「私が起こしてきます」
「ごめんね」
「光君おくれるよ」
「鈴なんで」
「学校遅れるよ」
「あーサンキュー」
「みんなご飯よ」
こんなにも暖かい家族がいるなんて私にとっては何もかもが初めてだった。
「みんな紹介する友達も水島鈴さんだ」
「はじめまして水島鈴です今日からよろしくお願いします」
「へーアニキの友達なんだかわいいじゃーん」
ピーんポーン
「あら、だれかしら」
「あのこちらに水島鈴様が来てると思うんですが」
「あー水島さん」
「お嬢様お持ちいたしました」
「ありがとう」
「失礼」
「お嬢様ってどうゆうこと」「私は水島グループの娘です」
「水島グループって世界的有名な」
「はいそうです」
「ゆっとくけど鈴は鈴だから」
「光君ありがとう」
私はしばらく光君の家にお世話になることになりました。
それから数日後
「あの陸いますか」
「あがって」
「おい陸お前姉ちゃんなんていたか」
「アニキの友達数日前から一緒に住んでるんだ」
「それにしても美人だな」
「陸君入ってもいいかしら」
「どうぞ」
「ジュースお母様からよ」
「サンキュー紹介する俺の友達の海斗と雷斗」
「はじめまして水島鈴です」
「鈴でかけるぞ」
「すぐ行く」
「なー鈴さんって光先輩の彼女」
「さー分かんないアニキは友達だって言ってた」
「あれ光じゃねーか」
「おー海じゃねーか」
「あれ、その子もしかして彼女」
「ばか友達だよ」
「ふーんまーいいけどまた学校で」
「わりーあいつ学校のダチで」
「うんん光君が楽しかったらそれでいいよ」
俺はまだきずいていなかった本当の気持ちに女子とあんまり接したことのない俺には鈴が何がうれしいのかとかよく分からなかったでも鈴の笑顔を見ていると心からホッとした。
「お嬢様だんな様がお待ちです」
「嫌はなして」
「はなせよ嫌がってるだろ」
「光君大丈夫」
「こっち急いで」
「つかまえろ」
「ここなら大丈夫だろう」
「ごめんね迷惑かけて」
「いいって」
「私帰るこれ以上光君やご家族の方にめいわくかけられないもん」
「何言ってるんだよ」
「私が婚約さえすればいいだけのこと」
「お前はhそれでいいのかよ」
「私とっても楽しかったありがとうさようなら」
「鈴待てよ」
「出してちょうだい」
「よろしいのですか」
「いいから早く」
「くそなんでだよ」
水島家
「ただいま戻りました」
「まったく心配かけて」
「申し訳ありませんでした」
「婚約の話しだが今度の日曜ホテルでパーティーがあるそこでせいしきに発表する大丈夫きっと幸せになるさ」
これは罰だと思った。逃げ出していろんな人に迷惑かけてわたしは涙がとまらなかった・・・
そして婚約発表の日がやってきた
「鈴こちらがお前の婚約者の西条勇斗くんだ」
「はじめまして西条勇斗です」
「水島鈴です」
「美人でいい娘じゃないか」
「勇斗くんもカッコよくなって」
「少し外へいきませんか」
「えー行きましょ」
「まさかこんなかわいい人だったなんて」
「お上手なのね」
「本当ですよ。僕たちは中学生だから結婚なんてまだまだだけど君となら幸せになれるよ」
とてもやさしくて私にはもったいないくらいの人だった。
なのに光君と過ごした日々が頭から離れない私は自由なんてなかったじゃない
私が彼と婚約すれば誰にも迷惑かからない私が我慢すればいいことなのに・・・
「どうされたんですか」
「いいえ何でもありません」
「何が何にもありませんだそんな顔して」
「誰だね君は」
「通りすがりのただの中学生です」
「光君何しに来たのよここはあなたみたいな人が来れる場所じゃないのよ」
「知るかそんなもんお前こそ何のつもりだよ勝手に出て行きやがって」
「だってそうするしかないじゃない」
「勝手に一人で決めて」
「私は彼と婚約するのもうほっといて」
「そんな顔で言われても信じれねーな」
なんで来たのよはじめから出会わなければこんなにつらい思いはしなくてすんだのに・・・
「わりーけどこいつをあんたと婚約させるわけにはいかないんだよ」
「ちょっときゃ何するの」
「逃げるんだよその服じゃ走れないだろ」
「何言ってるのこんなことしてせっかく私が」
「まったくほんと目が離せねーやつ」
「待てこいつ」「やべ見つかっちまった」
どうして私のためにそこまでしてがんばるのよ・・・
「は、は、ここまでくれば大丈夫だろう」
「さよならって言ったでしょ」
「俺は聞いてない」
なんでよ、なんで・・・
「俺さー鈴に出会えてよかった」
「え、何を言ってるの」
「だって出会ってなかったらこんなにも楽しい毎日なんてなかったもん」
「ばか」
「ばかだとせっかく助けてやったのに」
「ありがとう」