2−3:レベルと称号と中谷さん
前回までのあらすじ。
普通にステータスが見れた。以上。
いや、便利な能力手に入ったのは良いんだけど、急にブワッとウィンドウ開けてもびっくりする訳じゃん?できる事は、先に言っといて欲しいわけ。わかる?
脳内で、滔々と説教してみるけど…相手がいる訳じゃないので何か虚しくなってきた。
もしかして、これって俺のチート能力だったりする?実は、ベリーハードモードじゃなかったのかな?
いや…安心するのはまだ早い。なんせ、制御なんてできてないし、使い方もわからない能力なのだから!
□□□
『ステータス?名前はナカタニって書いてあったよ?あとレベルはねー…』
「あ…いや。もう大丈夫だ。普通に自分で見れたわ。」
『えー。なんだよー!せっかく教え……!!?』
俺の問いかけに答えようとした熊の言葉を遮り、声をかける。納得いかないような感じでこちらを見る熊。その顔が、みるみる驚愕に染まっていく。
え?何その信じられないみたいな顔。俺の顔に何かついてるのか?
不思議に思い、ペタペタと顔を触る。
そして、額に触れた時、触りなれない感触のモノが生えている事に気がついた。
「おあぁぁぁぁっ!!?何だこれぇぇぇぇ!?」
『えっ!?驚くとこそこなの?大鬼族なんでしょ?角あるのが当たり前じゃないの?それより、レベルだよ!!何でそんなに上がってるのさ!!?』
額に飛び出した2本の角。そこまで鋭利な感じではなく、丸み帯びていて短い感じだ。普通にしていたら、髪で隠れるくらいの短さかもしれない。
自分の額にあり得ないモノがあった事で、取り乱してしまったが、熊の言葉で冷静さを取り戻す。
あ…俺、大鬼族だったんだわ。鬼って位なんだから、角あるのなんて当たり前じゃねぇか。
「え、俺の角って元から生えてたのか?ん?じゃあ、さっき何に驚いてたんだ?」
熊の様子を見る限り、角は元々生えていたんだろう。では、熊は何に対して驚愕していたのだろうか。
待て。その『なんで人の話聞かねぇんだよ』みたいな顔やめてくれます?え?驚いてた理由言ってた?
ちょっと待てよ…。ああ!思い出した。
「え…?レベルって?俺元々何レベルだったんだ?」
『僕が襲いかかった時は、僕より下だったけど?』
だから勝てると思ったんだし…と、付け足す熊。ちょっと気まずそうだ。まぁ食べようとしてた訳だし気まずいよな。うん。
それにしても、Lv:45だった熊より低かったらしいのに…今や94だぜ…。経験値テーブルどうなっているんだよ。
あ、格上を倒すと多くもらえるってやつかな?
そんな事を考えながら、熊の頭上に目を向ける。
『角大熊 Lv:67』
おぉ…熊の方もレベルが上がっているようだ。上がり値は俺の方が上なのがよく分からないが…。共闘扱いだったら、同じだけの経験値が入るはずなのに、解せぬ。
「お前も、レベル上がってるな!67だってよ。さっきまで45だったのになぁ。凄い凄い。」
『それを言うなら、そっちのが凄いよ!だってさっき、28だったんだから!』
思いの外、自分のレベルが高かった事に驚いた。
それにしても、エリアボスって何をしたらいいんだろうか?普通に生活してて良いのか?てか、普通に生活できるのか?
言っちゃ悪いが、俺はサバイバル経験なんて全然ないんだが?キャンプ場でキャンプ位しかした事がない。
まして、こんなモンスターが普通に闊歩している場所で寝泊りとか、おかしくなりそうだ。現代っ子舐めんな!次、異世界に行けるようなら科学が発達してる所でお願いします!!
「俺、そんなレベル高かったのか…。」
『うん。でも、走ったり攻撃躱したりしてたから、それでも上がったんだと思うぞっ!』
「そんなんでレベル上がるのか…。まぁ、経験値って言うくらいだしなぁ…。それよりさ、エリアボスって何したら良いんだろうな?」
『うーん…。ニンゲン襲ったり、縄張り争いしたりかなぁ?』
おう…。人間は襲う対象なんだな…。
改めて、自分が人間じゃないって再認識したわ…。
更新が遅くなりましてすみません。
少し立て込んでいまして、中々書き上がりませんでした。
次回、とりあえず一段落できればなと思います。
今後共よろしくお願いします。