第7話 暗殺者は私の執事(女)
「おはよう?」
私は目覚めた女の子に話しかけた
「お、おはよう・・・!」
最初は普通に返してくれたのに何かに驚いたようだ
「大丈夫、呪いは解いてあるよ。もう、何にも囚われることはないんだよ。君は自由さ」
そう言うと、暗殺者は安心したように泣き出した
私は背中を擦りながら泣き止むのを待った
「いいんだよ。辛かったね。もう大丈夫だよ。独りじゃないよ」
「ぐすっ、ありがとうございます」
うん、泣き止んだようだね
「改めて自己紹介をしようか。私の名前はソフィア・イーリ・アルヴェリア、王とお母様しか知らない王女としての私の本当の名前。表では第三王子ジャック・シュリ・アルヴェリアとして生活しているよ。ちなみに年は6才。君は?」
私がそう言うと心底驚いたような顔をした
「その、私なんかに教えていいんですか?」
「君は孤児だろう?私と一緒に暮らさないかい?私には秘密がある。とても表にはあかせない。でも、侍女も執事もいなければままならない。でも君は自分の身も守れるし、賢い。だから一緒にいられると思ったんだよ。もちろん断ってもいいよ。私が勝手に教えただけだからね」
「私の名前はクロエ、6才。暗殺技術と勉強は文字を書けるくらい。魔法は火と風。よろしくお願いします」
「クロエ。いい名前だね。とりあえず、どんな仕事をやるい?やっぱ侍女かな?」
「私、執事がやりたい」
あれ?
「えっ、執事って男の仕事だよ?」
「でも、ソフィア様も女の子。それに着替えるときについていくのは執事。なら、私も男になってついていく。それにドレス着たくない」
あ、最後ので納得させられた
だって私もおんなじ理由だからね
「じゃ、いいよ。お互い様だね。名前は外では男の名前にしないとね。ちなみに私のことは外ではジャックだけど私たちだけだったらソフィアでいいからね。てか、私たちだけだったらソフィアって呼んで」
「分かりました」
「あと、敬語もなし。外だったら必要だけど私たちだけだったら普通にして。私たちはこれから運命共同体になるんだから」
「分かった」
はにかんだ笑顔も可愛い
それによく見たら黒髪黒目ってまるで黒曜石みたいに綺麗だし、私と同じで中性的な顔立ちだから服によって印象は簡単に変わるわね
「じゃ、外での名前はラエルね。立場は第三王子の執事。でもクロエは魔力も多いわね。これから一緒に勉強しましょ?」
「うん、ソフィアよろしく」
「よろしくね、クロエ!」