第一話 生まれ変わりまして
ふぁ~、よく寝た~
あれ?あれ?動けないよ?
てか、体が小さい?いつの間に縮んだ?
夢かな~?
夢だよね?
だってさっきまでといた部屋が違うよ?
さっきまでいたのはカントリーを基調としたシンプルな感じの6畳くらいの私の寝るためだけの部屋だったような
でも、今いるところは動けんから上しか見れないけど真っ白で、端が見えないほど広くて真ん中?には豪華なシャンデリアがあって、まるでどっかの城みたいだよ
うん、夢に決まってるね
私が寝てる間に運ばれるなんてあり得んしな、すぐ気づくわ
覚めろ~覚めろ~
うん、知ってるよ
どう考えたって有名な転生ものだよね
うん、分かってるさ
だってね、記憶があるんだよ
生まれたときから殺される瞬間、死ぬ瞬間までしっかりね
いや、死ぬ瞬間まで覚えてる必要なんて無いと思うんだけどな
いや、ありがたいこともあるんだよ?
私はね、前世では全てのジャンルのゲームを愛していたのだ
そのゲームの裏事情を知るために盗聴、潜入技術を極めたり、ゲームの細かい設定や元になった話を知るために、ありとあらゆるジャンルの知識を集めて覚えたり、他国のゲームを翻訳後ではなくもっと早くやりたいがために外国語を覚えたり、ゲームのキャラクターが好きすぎて剣術やら体術やらを独学で会得したり、あとはいろいろありましたよ
オおかげで記憶力は鍛えられ一度見聞きしたものは絶対に忘れなくなりました
特に乙女ゲームとRPGあたりは大好きでした
乙女ゲームではヒロインに対してあぁ、こんな可愛い子が現実にいたらなー、とか王子許すまじ、とか思ってたよ
私はね、前世もたぶん今も女だけど男は嫌いだった
それに女の子にはお姉様とか王子様とか言われて慕われていたよ
むさ苦しい男より可愛い子猫ちゃんの方がいいに決まってるじゃないか!
そもそも止めはあれだ
私が死んだときだ
私を殺したのは私を慕ってくれていた可愛い子猫ちゃんを好いていた(所詮男からの片想い)男からの逆恨みであったのだ
本当に意味がわからん
私に勝てないからと、告白もできなかった癖に生意気な!
全く邪魔でしか無かったよ
でも、私は女に生まれたことはよかったと思ってるよ
いや、男に生まれなくてよかった
あんなむさ苦しい男より女の方がいいに決まってるじゃないか!
男だったら私はストレスで死んでるよ
いや、別の意味で死んでるけどさ
「ソフィー!おはよう!お母様よ!」
「あー!」
「まぁ!元気ね!」
お母様も元気ですね
この人が私の母ですか
お母様は金髪緑目の美人さんです
はい、スタイルもいいですね
ちくしょう、前世の私は・・・
まぁ、おかげで男装は大人気でしたけど・・・
てか、声がでるってことは生後2ヶ月ってとこか
これもゲームをやらなければ調べなかったよ
いや、だってね?たまにこれ本当?て感じの設定あるじゃん?常識的にどうとかそんな感じの、あれ気になって全部調べてたんだよね
「可愛いわ!あのくそ国王の血が入ってるのは仕方ないけど、それでもそれ以上に可愛いわ!」
「うーぶぁ!」
えっ、ちょいまち!
今、私の父親のことさらっと暴露したよね!?
国王!国王なの!?
てか、国王のことってそんな簡単に悪口言っていいの!?処されるんじゃないの!?
やだよ!不敬罪とかでいきなり母親を失いたくは無いよ!?
「奥様、陛下が御呼びです」
「ちっ!いいところなのに・・・わかったわ!すぐ向かうとお伝えして」
「あー」
今舌打ちしました?
見たこともない国王陛下、貴方は奥さんに嫌われてるのね
やっぱり、どの世界でも男は駄目ね
うん、この世界でも期待はできんな
「はぁ、国王って自分の子供のことなんて何にも考えてないのね。嫁ぐ前から愚王だって有名だったけど、まさかこれほどまでとは・・・」
愚王で有名って終わってない?
「またすぐ来るわ」
そういうと、お母様は私の額にキスをして出ていきました
「あぅ!」
にしてもこれだけしか言えないとは
なんかむなしいです