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雑草

作者: 噺 角蔵
掲載日:2017/09/29

生きているのか死んでいるのか、時々わからなくなる。

毎日毎日同じことばかり。ルーチンワークは既に飽きて、脳みその暇具合との戦いが繰り広げられる。


一体どうしてこうなった?


本来であるなら、私は彼と結婚し、今頃子供二人くらい産んで、幸せな家庭を気づいているはずだった。


しかし、今は独り身で、毎日バイトのその日暮らし。


どこから外れた?そもそも彼って誰だっけ?

遠い記憶を手繰る。対象の彼って誰だっけ?


つい最近別れた彼氏とは、結婚なんて考えられなかったし、もしもしていたら一生家政婦扱いだろうと思った。まあ、だから別れたんだけど。


大学を出て、すぐに就職せず、だらだらしていた。今思うとその前の段階であたしは躓いていたのだ。皆が必死で頑張って動いていた就活も、私は鼻くそをほじりながらただ眺めていた。私には永久就職することが私なりの就活だったから。

当時付き合っていた、三つ上の社会人の彼氏に、結婚しようねなどとままごと恋愛していて、偽物の妄想をうっとりと眺めていた。

だって私は美しかったし、もちろん彼にも愛されていると思っていた。


しかし、卒業してから彼の浮気が発覚。いや、正式には私が浮気相手。三つ上だとばかり思っていた彼は、実は五つ上の既婚者だった。卒業してすぐ、彼の奥さんが妊娠。私は一人取り残されてしまった。


第二新卒なんて言葉もあったけど、私には労働なんて似合わないし、この美貌で、誰かにすぐに愛される、はずだった。


女子大生というタグをとった私は、ただのニートと化した。いくら美貌があっても、ニートで結婚願望があり、しかも専業主婦希望の私には誰一人寄ってはこなくなった。


だから仕方なく、モデルにでもなろうと思い、何ヶ所かの芸能事務所に写真を送った。見事全て、連絡は来ず、面接すらしてくれなかった。


私は今年、30になる。

シミが目立つようになったけれど、それでも歳の割には綺麗だし、若く見えるほうだと思う。


それこそ、あの時就活していればキャリアウーマンであっただろう。


私の素晴らしさは、誰にも伝わらない。凡人にはわからないのだ。


「長谷さん、また間違ってるよ!いい加減覚えてよ、何年ここで働いてるの!」

職場の人間は、私のこの美しさを僻み、私に辛く当たる。全く、美しいのも楽ではない。


幸せになりたい。そう思っているだけなのに、どうしてこうも困難が多いのだろう。


子供

旦那

お金


それさえあれば幸せなのに。どうしてこうも叶わないなか。


普通は難しい。特に、私のような人から僻まれるくらいの人間だと。男性からは美しすぎてきっと引かれているのだろう。女性からは僻まれるし。


美しさは罪。願いは謙虚。ただ、普通が欲しい。希望を糧に、今日も死んでいる日常を送る。

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