雑草
生きているのか死んでいるのか、時々わからなくなる。
毎日毎日同じことばかり。ルーチンワークは既に飽きて、脳みその暇具合との戦いが繰り広げられる。
一体どうしてこうなった?
本来であるなら、私は彼と結婚し、今頃子供二人くらい産んで、幸せな家庭を気づいているはずだった。
しかし、今は独り身で、毎日バイトのその日暮らし。
どこから外れた?そもそも彼って誰だっけ?
遠い記憶を手繰る。対象の彼って誰だっけ?
つい最近別れた彼氏とは、結婚なんて考えられなかったし、もしもしていたら一生家政婦扱いだろうと思った。まあ、だから別れたんだけど。
大学を出て、すぐに就職せず、だらだらしていた。今思うとその前の段階であたしは躓いていたのだ。皆が必死で頑張って動いていた就活も、私は鼻くそをほじりながらただ眺めていた。私には永久就職することが私なりの就活だったから。
当時付き合っていた、三つ上の社会人の彼氏に、結婚しようねなどとままごと恋愛していて、偽物の妄想をうっとりと眺めていた。
だって私は美しかったし、もちろん彼にも愛されていると思っていた。
しかし、卒業してから彼の浮気が発覚。いや、正式には私が浮気相手。三つ上だとばかり思っていた彼は、実は五つ上の既婚者だった。卒業してすぐ、彼の奥さんが妊娠。私は一人取り残されてしまった。
第二新卒なんて言葉もあったけど、私には労働なんて似合わないし、この美貌で、誰かにすぐに愛される、はずだった。
女子大生というタグをとった私は、ただのニートと化した。いくら美貌があっても、ニートで結婚願望があり、しかも専業主婦希望の私には誰一人寄ってはこなくなった。
だから仕方なく、モデルにでもなろうと思い、何ヶ所かの芸能事務所に写真を送った。見事全て、連絡は来ず、面接すらしてくれなかった。
私は今年、30になる。
シミが目立つようになったけれど、それでも歳の割には綺麗だし、若く見えるほうだと思う。
それこそ、あの時就活していればキャリアウーマンであっただろう。
私の素晴らしさは、誰にも伝わらない。凡人にはわからないのだ。
「長谷さん、また間違ってるよ!いい加減覚えてよ、何年ここで働いてるの!」
職場の人間は、私のこの美しさを僻み、私に辛く当たる。全く、美しいのも楽ではない。
幸せになりたい。そう思っているだけなのに、どうしてこうも困難が多いのだろう。
子供
旦那
お金
それさえあれば幸せなのに。どうしてこうも叶わないなか。
普通は難しい。特に、私のような人から僻まれるくらいの人間だと。男性からは美しすぎてきっと引かれているのだろう。女性からは僻まれるし。
美しさは罪。願いは謙虚。ただ、普通が欲しい。希望を糧に、今日も死んでいる日常を送る。




