1章 異世界と召喚と
「そういや神様が俺を呼び寄せたのは召喚魔法ってことなんですか?」
何となくそんなことを聞いた気がして聞いてみた。
「召喚魔法と言えば召喚魔法なのじゃが、あれはお主とこの世界とを繋げる道を開き、その道を通して引き寄せたと言った方が近いの」
「神様も厳しいとおっしゃられたように、俺は自分1人で勇者の子孫達と戦うのは無理だと思っています。だから召喚魔法のような形で自分に従ってくれる動物などを召喚して戦えたらなあって思いましたね」
「召喚魔法…この世界には魔神を呼び寄せるような契約による召喚はあるが、存在しないものじゃ。一応、合成の力で作れると思うぞ」
幼い頃からカードゲームやテレビゲームが好きだった煌は、ドラゴンを召喚できたらなどよく妄想したものだった。
神様の言葉でその妄想が現実にできると思うと胸が高鳴る。
「召喚魔法にするのか?この世界にない魔法とはいえ、魔法じゃぞ?」
神様は能力ではなく魔法に興味を示している煌に疑問に感じているらしい。
「はい、たとえ能力を1つもったところで相性や数の暴力で負けてしまうかもしれませんからね」
煌は1人でチート能力をもった勇者の子孫達に無双できると楽観視してはいなかった。
「召喚魔法で戦闘してくれたりサポートしてくれる動物やモンスターを召喚して戦った方が勝ち目はあると思います!」
「わかった、では召喚魔法をお主に与えよう」
神様は召喚魔法を合成で作り出し始めた。
神様の手が紅く光る。
数十秒後、その光が煌へ向けられた。
「ではいくぞ」
煌の視界が紅に染まった。
「これでお主は召喚魔法が使えるはずじゃ。それとお主の身体能力のスペックを勇者と同程度にしておいた。これはこの世界では最強クラスなのじゃから、盗賊はもちろん、子孫達にも簡単にはやられないと思うのじゃ」
さらに神様は説明を続ける。
「チート能力で圧政を強いる勇者の子孫達を倒すため、お主のオリジナル魔法である召喚魔法もチートと言って過言じゃない魔法にしたのじゃ」
「召喚魔法の制限として召喚に必要なSPの所持上限は1000じゃが、回復するのは1日100SPだけなのじゃから、10日間何も召喚しなければ1000SP貯まるということじゃな。より強いモンスターを召喚しようとすれば1000SPに近い値を使い、召喚することになるのじゃ」
「なら今召喚するなら1SPで召喚できるモンスターなら100匹、100SPのモンスターなら1匹ということか」
煌は納得した表情で自分の手を見つめている。
「そういうことじゃ!」
制限はあるがいい能力だと煌は思った。
ただ、召喚したモンスターがどの程度通用するかはわからないが……
「ちなみに召喚できるモンスターはお主が条件を決め、創り出すように召喚できるから実在するかしないかなどきにしなくてよいぞ!」
「それはありがたいですね!」
「地球にいた動物ではおそらくほとんどが力不足だろうし、モンスターと言われてもパッとわからないですし、意思疎通できないのも困りますし…」
煌は苦笑しながら呟いた。
「ではそろそろグロリアスの地上へ降りてもらうのじゃが、何か聞いておきたいことはあるかの?」
少し悩んだが、
「いえ、特にないです」
と答えた。
「ではお主が降り立つところを見られてもまずいから人目のないところにいってもらうぞ?」
神様は煌に尋ねるように話した。
「はい、お願いします!」
「ではこの世界を頼んだのじゃ!チートを倒すにはチート!お主に期待しておる!!」
神様はそう言い終わると手をかざし、紅い光の輝きとともにその場から煌がいなくなった。
「本当にこの世界の未来を頼んだのじゃぞ」
神様は小さく呟いた。
SP…召喚ポイントまたはsummon pointどちらでもいけるのでどちらでも考えやすい方で読んでください笑
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