誰もが楽しめる世界へ
とある日の午後の授業中、平凡な男子高校生である神崎 煌はいつもの教室の窓辺から空を眺めていた。
「あの裂け目は何だ?」
煌はいつもとは違う空の様子に気がついた。空に謎の裂け目があり、そこからまるで中世ヨーロッパの城のようなものが見えるのである。
城は争っていたりする様子はなく、いたって静かだ。
「あれは人…だよな」
城壁に1人の人が腕を組んで立っていることを煌は発見した。
プロジェクションマッピングのようなもののイベントでもしているのだろうと思い、深く気にしないことにした。
その直後、クラスメイトがその裂け目を発見し、
「何あれ!!誰か知ってる?」
「知らねえ〜〜」
「後で近く行ってみようぜ」
「人?もいるぞ!」
など騒ぎ出した。
「静かにしなさい!授業中ですよ!」
担任の英語教師である田上 道子先生が注意するが、先生も空をチラチラと気にしているようだ。
まだ落ち着かない感じは残るが、授業が再開された。
ちなみに煌には友達と言えるような人は存在せず、クラスメイト全員とよくて知り合いレベルという付き合いである。
そのため帰りに一緒に裂け目近くへ行く人などいない。
それ故に夕方のローカルニュースやSNSで裂け目が何だったのか調べてみようと考えていた。
「おい、裂け目が増えたぞ!!!」
クラスメイトの1人が叫んだ。
その場の全員が空を見た。
「誰だあの爺さん」
全員の考えは同じだっただろう。
新たな裂け目には城などはなく、1人の爺さんのみがいたからだ。
「見つけた」
おそらく全ての人に聞こえたであろうその声とともに、雷鳴が轟き、血のように紅い光が裂け目から生じ、1人の少年が地球から姿を消した。
初投稿になります。
拙いところも多いと思いますが、よろしくお願いします!