見学会 後編
45のドアから戻った後グトウェルは急いで83のドアへと向かった。
「こっちだ!ここからの作業はとってもスピーディーだからな!見逃すぞ!」
そう言うと彼は83のドアを勢いよく開いた。
ドアをくぐるとそこには先程の小さくなったユニコーンが魔方陣の上で『ふせ』の体勢になっていた。そしてその周りにはスタッフと思われる人達3人がいる。
「さあ、始まるぞ」
グトウェルがそう言うと脇に控えていたスタッフ2人が呪文を唱え始めた。
呪文の詠唱が終わると、杖を持っていた1人が杖を天へと掲げた。
するとユニコーンの下にある魔方陣がユニコーンを包み込むように輝き始めた。
「この作業はな、幻獣として圧倒的に強いユニコーンのステータスを人が扱えるよう調整にするだけでなく、あっちで死んでもいいように、ステータスのコピーしたのを送って、本体はもう森に返すんだ。そうじゃないと森を守る事ができないだろ?」
魔方陣の輝きが収まると別のスタッフ達がユニコーンを連れて移動していった。
「さてここまでが召喚獣派遣所の仕事だが、何か質問はあるかい?」
グトウェルはどんなことでもいいよと断りを入れていたので、先程施設が爆発していた理由を尋ねると
「ん?なんで知ってるんだ?さっき来るとき見た?まあ、そうか。実はな。召喚獣てのも意志があるんだがな、あまりに扱いの悪いサモナーだとかだと、召喚されるのを拒む奴が居るんだよ。この前のはドラゴン攻略でただ体力を削る為だけに召喚しようとした奴が居てな…。お前だっていやだろ?そんな召喚のされ方。もしサモナーになるんだったら、そういう配慮も必要だろうなあ」
その後は事業の歴史などの説明を受け、見学会は終了した。
―帰り道。
スタッフの皆さんに見送られながら施設から出てしばらく歩いていてふと、自分が帰り道を知らない事に気づいてしまった。来るときはワープだったし…。沸沸とアイツに対して苛立ちが湧いてきた。どうすんのこれ。
―いやー、いい勉強になった?なかなか見られるものじゃ無いしね。あ、もしかして迎え来ないって思った?思っちゃうよね~。実はボクも忘れてた。
―わ、わー。怒っていらっしゃる。そんな怖い顔しなくていいから。ちゃんと送ってあげるからさ。ね?
―それで話は変わるけどキミはこれからどうしたい?なりたいんだったらサモナーにしてあげるよ?
―え?嫌?そーなんだ。どうでも良いんだけどね。
―でも、ならないとしても覚えておいて欲しいね。あ、今日の事だよ?
―召喚獣って結構理不尽な中に居るからね。使い手次第なんだよね。
―さてと、帰ろっか。バイバイ!
僕は来たときのように眩しい程の光に包まれた。
召喚の対義語が派遣ってことを聞いて思いついたこのお話ですが、まだまだ面白くなりそうな雰囲気がありますね。もう少し掘り下げてみますかね。




