あれから数年後
「お母さんいってきまーす」
「気をつけていきなさいね」
あれから数年経ち、親は再婚していました。
新しい旦那は頭が良く、結婚してから新しい事業を始め、大成功を収め、数年で城主から認められ貴族として生活するようになりました。
その間に母親に似た女の子が生まれ、父親に似たのか頭が良く、いろいろなことを直ぐに吸収していきました。
その子はミイと呼ばれ、そして”長女”として育てられました。
ミイは当然元々いた長女のことを知りません。
母親はあれから元長女とは会っていません。
しかし、その母親とは何度もあっています。
それはもちろん元長女を返してもらうためです。
だけどそれはかなわぬ夢でした。
いくらお金を出そうとも首を縦に降ってもらえず、諦めるしかありませんでした。
ある夜、なかなか長女を取り戻せない悔しさに一人ワインを飲みながら泣いていました。
誰かに聞かせるわけでもなく、つぶやくように
「いつになったらあの子を呼び戻せるのかしら…ミィと一緒に過ごさせたい…」
「お母さんあの子って誰のこと?」
「!!」
びっくりして後ろを見てみるとミィが後ろに立っていました。
「呼び戻すって…ちょっと飲み過ぎじゃないの?泣いてるじゃない」
娘に心配されてしまいました…
が、言う気がなかったのですがアルコールのせいか、つい言ってしまいました。
「大丈夫よ、ただ本当はあなたに姉がいるのよ…」
娘は疑問を持った顔をしながら
「それ本当なの?それとも酔っ払ってるだけ?」
「いいえ本当のことよ…」
それから娘も椅子に座って昔話をしました。