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旅の道中⑨

 




「……っ……仕方ねぇ、助けろ」





苦虫をかみつぶしたような表情をしながらも考えが纏まったのかクロスを睨み付けるマグライナ君。

クロスに借りを作りたくないのか、ただクロスが嫌いなだけなのかわらないけど、嫌々なのがわかる。


クロスはマグライナ君の言葉を聞けばすぐに剣を取り出し先程と同じように燃え上がらせればグレートベアの首を切った。



……何度見てもやっぱ慣れない。



流れる血の臭いに眉をひそめてしまうが、グレートベア以外に脅威はないのでルルーゼちゃんを下ろしてあげる。

ルルーゼちゃんは泣きそうになりながらマグライナ君に抱き付いた。






「お、兄ちゃん……!」



「森の奥には入るなって言っただろ」






優しくルルーゼちゃんを抱き上げればぽんぽんと優しく背中を撫でてあげてる。


ルルーゼちゃんを無事に引き渡せてよかった。

小さい子が危ない目に合うのは良くないしね。





「怪我の手当てしましょうか?」





安心したのはいいけど、マグライナ君はまだ怪我の手当てもしていないのだからちゃんとやらないとなね。

放置して細菌なんかが入ってしまったら大変なことになるし。





「ありがとうございます、食堂の姉さん」



「学園の生徒なんですか?」



「三年のアルベルト・マグライナです。 後、妹を助けて下さりありがとうございました」






助けたのは私じゃなくてクロスなんだけどね、クロスはマグライナ君の態度も気にしてないみたい。

んー、クロスは嫌味なくらいモテるし、力もあるから嫉妬の対象なのかな。






「私は何もしてないですから」



「……グレートベアぐらい俺だって倒せたが、一応お礼をー言っておく」





私には丁寧なマグライナ君だけどやっぱクロスには冷たいみたい。

私にはわからない何か確執みたいなのあるかもしれないけど、クロスは別になんとも思ってなさそうなんだよね。


先輩であろうマグライナ君にもタメ語だけど。






「アヤミの願いだからな」



「そんなこと言わないの」





鞄から取り出した救急箱から消毒液とか出せばそんなに深い怪我をしていたわけではなかったみたいなのでしっかりマグライナ君の手当てする。

私が頼んだから以外でもちょっとは他人を気にしてはほしいかな。


他人を全員助けろってわけじゃないけどさ。






「……リストルと仲良いんですね」



「お店の常連さんですからね、それに家のアルフの修行もしてくれて助かってますよ」





会話を続けながらもしっかりと手当てを終えればゴミもちゃんと鞄にしまう。

ポイ捨ては駄目だからね。





「アヤミ、そろそろ行くか?」



「そうだね、ルルーゼちゃんもお兄ちゃんと再会出来てよかったし」





ここから村までそんなに遠くはないだろうし、学園の生徒ならすぐに帰ればルルーゼちゃんと二人でも大丈夫でしょう。





 

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