この世界で生きる為に②
「1人違うっ。 僕も一緒にしゅぎょーする!」
「……そうだね、一緒にやろ」
危ない危ない。
アルフの可愛さにやられる所だった。
アルフの魔力はどれぐらいあるんだろうと考えながら優しく頭を撫でる。
「うん、僕がアヤ姉守るのっ」
「ありがとう。 ……そろそろ、夕食食べに行こうか」
アルフってば大きくなったら鈍感になるんじゃない?
……アルフが鈍感にならないようにちゃんと育てなきゃね。
鈍感は女の子の敵だ。
好意を寄せてるのが周りにバレバレなくらいなのに何で友達とか言うのかな?
普通の子でも傷付くのにヤンデレな子だったら更に傷付くんじゃないだろうか。
「アルフ、この街に食べ物屋ある?」
「向こうにね、いっぱい人が並んでるお店あるよ」
「じゃあ、案内してくれる?」
「うんっ」
並ぶ程の店って事は結構美味しいのかな。
食べるのは大好き(だから、こんなお腹になっちゃったんだけどね)
アルフがにこにこと笑いながら手招きをしているので近付けば危なくないようにぎゅっと手を握り締め。
アルフは私の手を引っ張りながらそのお店に向かって歩いて行く。
うん、店あるけどここ何時間待ち?って聞きたくなるほど並んでるね。
美味しい物を食べる事が大好きな私としては食べてみたい。
「アルフは我慢出来る?」
最後尾に並びながらもアルフが我慢出来なければ他に行こうと思う。
……ちょっと食べたいけど。
「うんっ、我慢する」
「じゃあ、一緒に我慢しよっか」
そう言えば味見用のばかり作ってて私自身食べてなかったな。
まだ残ってたはずだから帰ったら食べなきゃ。
保存方法も考えないとならないし、……魔法で何とかなるかな?
「ユウヤ様、ここですわ」
「たくさん並んでるなー」
「私と一緒なら並ばずとも大丈夫です」
いや、並べよ。
しかも、森で見たお姫様らしき人だし。
いくら王族(?)だからって割り込みはいけない、我が儘過ぎ。
「へぇ、ルナって凄いな」
凄い、じゃないよ。
お姫様(?)が凄いんじゃなくてただ権力があるだけだし、権力があったとしても割り込み禁止。
1日20食の限定パンを買いに行った時、イケメンだからっておばちゃんに優遇されてた男も居たし(私はギリギリ買えたけどそれより30分遅れてきて限定パンを買ったことがムカつく)
そして、美人だからって幻のプリンを何もしなくても献上されてた女の子も居たし(一口食べただけであまり美味しくないって言ってプリンを捨てた時は殺意が湧いた)