初めての学園⑥
持ってきた食品サンプルをケースに入れて並べておく。
作るのは簡単な物にしようと親子丼、オムライス、ミートパスタ、うどん、カレーにした。
五種類しかないけど全部簡単だからね、後はサラダとスープをつけて終わり。
ちゃんと食品サンプルの所に品の説明も書いてるからこれで大丈夫だと思いたい。
「すみません、貴方が代わりの方ですか?」
うどんの汁とカレーを作っていると猫耳の女の子と犬耳の男の子、耳が尖ってる女の子が居た。
「はい、アヤミ・ファレスと申します」
ふわふわな獣耳をちょっと触ってみたい気もするけど初対面でそんな変なこと言えない。
でも、あの耳可愛い!
「わ、私はルージュ・ラインベルトです。 獣人族です」
「同じく獣人族のシルク・アイランっす」
「ハーフエルフのベルモント・セオルです」
オドオドしてる可愛い猫耳のラインベルトさん、少し生意気そうな犬耳のアイランくん、ちょっときつめ美人のセオルさん……名前覚えられるかな。
ハーフってことはエルフと人間のハーフって意味なのだろうか。
「今日からしばらくよろしくお願いします」
私が挨拶をすれば三人とも驚いたように目を見開いた。
「わ、私たちが嫌ではないんですか……?」
「えっ、何故?」
けもみみはもう可愛いし、エルフもこの世界で初めて見たけど可愛いし。
何で嫌にならなきゃいけないの?
「わかってるんすか? 俺ら獣人族とハーフエルフっすよ?」
「わかってますよ?」
ちゃんとさっき自己紹介してもらったばかりなんだから覚えてるよ。
さっきの今で忘れたら私どれほど記憶力がないのかと思っちゃうじゃん。
まあ、最近物忘れとか激しくて落ち込んでしまうけども。
「私達、亜種は人間に嫌われているんです。 亜種と人間との戦争後からずっと」
「ごめんなさい、私ずっと一人で暮らしていて学校にも行ってないから歴史とかわからないんです」
私の言葉に更に驚いた様子の三人。
やっぱり神様に知識はちゃんと貰っておけばよかったな。
「……私達、おかしいと思います? 獣耳ありますし、尻尾もあります」
いや、けもみみは可愛い。
絵の才能があったらよかったって思うくらいだし。
「ふわふわで可愛いから触ってみたい気持ちはありますが、おかしいとは思いませんね」