初めての学園③
そして、三日後。
私はウィルさんが持ってきてくれた地図を頼りに学園を目指す。
店は食堂の仕事が終わってからの夕方から開店する事ににした。
少しの時間しか開けられないけどリーフィ達だけでお昼の時間開店するのは難しいからね。
しばらく歩いていると大きな建物が見えてくる。
……地図的にはここなんだろうけどこの大きさって……。
ギルドですら凄い大きかったのにギルドより更に大きい。
食堂の仕事一人で出来るだろうか。
「あら~、貴方はどなた?」
前から歩いて来たふんわりとした女の子。
白衣っぽい服を着ているけどこの学校の生徒なのかな?
「私は今日からしばらく食堂で働く者です」
「あらあら、私はこの学校の保険医ですわ。 理事長から伺っていますのでこちらへどうぞ」
……見た目的に十代に見えたんだけどこの人は何歳だろうか。
歩いてる後ろ姿を見て考えながらも私は先生について行った。
「ここです~。 リセルド・バーン、新しい食堂の方を連れてきました~」
にこにこと笑みを浮かべているバーン先生は更に子供っぽく見える。
中から男の人の声が聞こえればバーン先生と一緒に中に入った。
「初めまして、私はリード・セントレア。 この学園の理事長をしております」
高そうな椅子に座っていたのは四十代くらいの少し厳ついイケメンだった。
……この世界はイケメンばかりなのか。
「初めまして、アヤミ・ファレスです。 今日から精一杯頑張りますのでよろしくお願いします」
ぺこりとちゃんと頭を下げながらも理事長が良い人っぽいので安心する。
嫌な人ならストレス溜まってくるかもしれないし。
「食堂では生徒がバイトをしているので指示してあげて下さいね」
「学生がバイトしているんですか?」
「ええ、授業に支障が出なければギルドでもバイトでも自由にしてるんです。 通っているのは貴族の生徒だけではありませんからね」
バイトしなきゃ生活出来ない子も居るんだね。
一緒に仕事するんなら仲良くなりたいな。
「あの、この学園の地図ってありますか? 広くて迷ってしまいそうなので……」