経営者会議なう⑧
お金や権力って怖いよね。
最初は普通の人でも権力を持ったら何するかわからないもん。
私も今で満足してるけど実際に権力を持ったらどうなるかはわからない。
誰彼かまわず欲深いのが人間だから。
「この事は城に報告する。 “ロープルロック”」
アーバイルさんに向けた手のひらをぐっと握り締めれば近くにあったロープが生き物のようにアーバイルさんに絡み付く。
抵抗しているようだが抵抗も虚しくアーバイルさんはロープで縛られた。
これも魔法なのかな?
「離せぇぇえぇえええっ!」
「連れて行け」
縛られても尚も暴れるアーバイルさんを商マスターの合図で現れた忍者っぽい人が連れて行く。
忍者の恰好じゃないけどいきなり現れていきなり消えるのは忍者しか居ないでしょ!
「これでアヤミ・ファレスの疑いは晴れた。 疑ってすまない」
疑ってたのは周りの人であって商マスターじゃないのに律儀な人だ。
別に気にもしてないのに。
「疑いが晴れたのならそれでいいです」
結局、パナンが何かはわからなかったけどね。
帰ったら聞こうかな。
「果たしてそうなのでしょうか?」
「何がだ?」
あれ、話は終わったんじゃないの?
「確かにパナンを使っていなかったのかもしれません。 しかし、完全に白だと言える証拠はないでしょう」
「レイアの誓いは確かに嘘はつけませんが魔法に熟知している者であれば偽る事も可能なはず」
つまり私を敵視しているのはアーバイルさんだけじゃなかったって事?
……ややこしい事は嫌いなんだけどなぁ。
私は魔法が得意なわけじゃないし。
戦闘ギルドにも入ってると思われてるのかな?
「最低ランクの店があれほどの客を集められるなんて有り得ないですからねぇ。 パナンではなくとも違法な事をしているかもしれません」
「女らしく体を売ってるのかもしれませんがね」
ニヤニヤしながら私を見てくる2人の店長にちょいとイライラ。
こんなデブスが体を使ってどうにかなると思ってんの(自分で言うなって感じだけど)
しかも、大半のお客さんはクロス目当ての女性客ばかりだし。
それかリーフィ目当ての男性客か。
「それはランクFだからか?」