経営者会議なう⑦
答えても何もなかったけど嘘つかなかったからかな?
それとも不良品……じゃなくて不良陣?
「これでファレスが無実だと証明出来たな。 レイアの誓いが発動されなかったのだから」
「そっ、その魔法陣はデタラメだっ!」
不良陣ではなかったんだね。
アーバイルさんは私を陥れたいみたいだし……やっぱり昨日の仕返しかぁ。
商マスターが味方についてるから店は潰されないだろうけど。
「なら、次はそこの商人にレイアの誓いをやってもらう」
「なっ……お断りします!」
「拒否権はない。 ウィル」
あっ、真っ青だった顔が白くなってきた。
ウィルさんが縄で捕らえられてる商人を無理矢理引っ張ってくる。
あんなに細い身体のどこにそんな力があるんの?
とりあえず、邪魔そうなので立ち上がり机から離れればウィルさんが商人の手を魔法陣に押し付ける。
アーバイルさんも真っ青になってるし、嘘をつくんだったらどんな罰かちょっとワクワクするかも(加虐趣味じゃないよ?)
「我が名はゼイル・クーラー。 汝に神レイアの名の下で問おう。 アヤミ・ファレスにパナンを売ったか?」
「売ってませんっ。 アーバイル様に命令されアヤミ・ファレスに売ったと証言しました!」
オイ。
魔法陣はまた何も反応しない。
商人は血の気が引いたような白い顔をしたまま安心したように息を吐く。
「何嘘をついておるっ! 我が輩は知らんっ!」
慌てて立ち上がり否定するアーバイルさんだがもう遅い。
他の店長さん達の冷たい視線がアーバイルさんに集まっている。
せっかく王家御用達の店だったのに終わったね。
「今更何を言う。 レイアの誓いは絶対、この商人が嘘をついてない証拠だ」
「その魔法陣がおかしいのだっ! 我が輩は王家御用達レストランのオーナーだぞっ」
「なら、やってみたらどうだ? 嘘をついてないと言うならば」
いつの間にか商人は魔法陣から離れて縄で縛られており、商マスターは魔法陣を指差す。
やってみたら嘘ついたのかついてないのかわかるし。
まあ、アーバイルさんの様子を見てたら嘘発見器もいらないくらい嘘をついてるのがわかるけどね。
人を呪えば穴二つだっけ?
「我が輩はやらないっ……やる必要がないっ! 我が輩はっ……我が輩はっ、王家御用達レストランのオーナーだっ! 我が輩に逆らう者は全て捕らえてやる!」