経営者会議なう⑥
うーん、ここでパナンって何か聞けば絶対KYだよね。
わからないけど黙っとく方がいいか……。
「お前は直接アヤミ・ファレスと会ったんだな?」
「はい、そうです……」
「罪を認めているのだから尋問の必要はない」
でも、このまま何も言わなかったらもしかして牢屋行き?
商マスターは信じてくれたらいいんだけど……。
「まだ聞きたい事がある。 いつから売っていたんだ?」
「……最初からです」
「……アヤミ・ファレスは何か弁解はあるか?」
訴えられてる当事者なのにぼーっとしていたのでいきなり矛先がこっちにくるとビックリする。
うん、商マスターは信じてくれると信じよう。
「まずその人に会った事ないです」
「嘘をつくなっ」
いや、アーバイルさんが私を陥れようとしているだけじゃんっ。
嘘つきはそっちっ!
商人は商人で何かキョドってるし。
「会った事はない、誓えるか?」
「はい」
嘘じゃないから誓える。
何に誓うかわかんないけど。
「こんな小娘の話を信じるのか?」
「レイアの誓いをすればいい」
レイアの誓い?
またわけのわからない言葉が出てきたんだけど……(何か嫌な予感する)
また周りがざわざわし出したし、置いてきぼりいくない!
「こ、こんな小娘相手にレイアの誓いまでする必要はない」
「それを決めるのは俺のはずだが?」
うーん、ここでレイアの誓いって何か聞けばKYだよね(あれ、さっきも同じ事言ったような……)
「王家御用達レストランのオーナーである我が輩が言ってるのだ。 我が輩の意見に逆らうと言う事は王家に逆らうのと同じ事だぞ」
「商業ギルドに登録している以上、俺の意見は絶対だ。 ウィル、レイアの誓いの準備だ」
「はい」
ウィルさんが私の前にやってくれば机に何か書き始める。
何か魔法陣っぽい?
「レイアの誓いをすれば皆も知っての通り嘘をつけば罰が下る。 それをやってもらうがいいか?」
「大丈夫です」
嘘発見器が進化したみたいな感じなものなのかな?
まあ、私は嘘をついてないから問題ないけど。
ウィルさんは魔法陣を書き終えたのか数歩後ろに下がる。
「その魔法陣の上に手を置け」
こんな小さな魔法陣でそんな事が本当に出来るんだろうか……。
半信半疑になりながらも言われた通りに魔法陣に手を乗せる。
……罰がちょっと気になるかも。
商マスターが私の目の前に立てば魔法陣の端に触れていた。
「我が名はゼイル・クーラー。 汝に神レイアの名の下で問おう。 パナンを料理に使用したか?」
「いいえ」