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経営者会議なう③

 



「全部で銀板2枚(20万)と銀貨3枚(3万)だ」




いつもは銀板2枚と銀貨4枚なのに銀貨1枚安くなってる。


私が不思議に思っているのに気付いたのかギルさんがゲラゲラと笑っていた。




「銀貨1枚はオマケだ。 」


「いいんですか?」




銀板2枚と銀貨4枚だって安くしてもらってその値段なのに。

ギルさんの家の家計は大丈夫なのだろうか?




「いいんだよ。 アヤミちゃんは確かに見た目は美人とは言えねぇけど、アヤミちゃんの元気の良さはこっちまで元気にしてくれるからな」




褒めてるのか貶してるのかわからない。

でも、ギルさんだから本当にそう思ってるって言うのがわかる。

最初に会った頃は良い顔してくれなかったけどね。




「ありがとうございます」



好意は素直に受け取らなければ。

ギルさんに銀板2枚と銀貨3枚を支払えば食材をポケットの中にしまっていく。




「そこの者待てっ!」



ポケットに大量の食材をしまっていれば声が聞こえてくるけど私には関係ない。

全ての食材をポケットに詰めればポケットを服のポケットに入れる。




「待てと言っておろうがっ!」


「はい?」




肩をいきなり叩かれればビクッとした。

あれ? 私に言っていたのか?



「アーバイルさん、アヤミちゃんに何か用なのか?」



この人、アーバイルさんって名前なんだ。

見た目はいかにも成金で強欲そうな感じがするんだけど……。

大きな石のついた指輪いっぱいしてるし。




「そこの娘、誰に許可をもらってあんな大量の材料を買っているのだ」


「ギルさんです」


「違う、大量の材料を買う時は我が輩に許可を取れ」




何で?

ってか、アーバイルさんは名前しかわかってないし誰?




「アーバイルさん、前にも言ったが俺の店のもんは俺んのだ。 何でアーバイルさんの許可がなきゃ買えねぇ」


「我が輩はこの国1番のレストランのオーナーだぞっ。 王家御用達の店でもあるのだから当たり前であろう」


「いくら王家御用達だからって商売の邪魔はしねぇでくれ。 俺は俺で売る人を決める」




ギルさんの言葉が不満だったのかわかりやすいくらいアーバイルさんの顔が歪んでいる。

王家御用達だからって偉そうにしてたら駄目でしょ。




「しょぼくれた店にそんな大量の材料を売っても材料が無駄であろうが」



しょぼくれた店って……失礼なおじさん。

小さな店だけど大事なんだからそんな感じに言われたらムカつく。

  



「残念だが、アヤミちゃんの店は結構繁盛してるんだ。 食材がないとすぐに売り切れちまう」


「普通ですよ?」




困らない程度に売上を上げてるけどそんなに繁盛してないよ?(ちょっと忙しいくらい)




「そんな庶民が作った物を食べる等この街の者は余程飢えてるのだな」


「この街に喧嘩売ってんのか?」




まあ、ずっとこの街に住んでるギルさんに街を侮辱するような言葉を言うなんて喧嘩売ってるようなもんだよね。

王家御用達だからって媚びを売らないギルさんは素敵っ。




「ふんっ、明日気をつけておくのだな」



ギルさんの気配に圧倒されてかギロリと私を睨んだアーバイルさんはお供を連れて去って行く。

何しに来たの?




「アヤミちゃん、あの野郎の言葉は気にする事はねぇ。 俺は一回あの野郎の店の料理を食った事あるがアヤミちゃんの料理の方が美味い」


「ありがとうございます」



私は私の料理が万人受けするとは思ってないし、美味しいって言ってくれる人が居るだけでいい。




「じゃあ、今日は帰りますね」


「ああ、またな」




アーバイルさんも経営者なら明日の会議には出るんだよね?

何されるかわかんないけど頑張ろう。



 

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