経営者会議なう
リーフィとキースさんが来てから半年が経った。
この半年大変だったな……。
真面目に働いてくれたけどクロスとリーフィが犬猿の仲になったり、キースさんがたまに行方不明になったり、そんなキースさんをリーフィがボコボコにしたり。
まあ、問題もあったけど売上も上がったし、仕事もやりやすくなったから修行も再開出来たからよかったけどね。
因みに戦闘ギルドフラグは回避出来た。
あらぬ罪をなすりつけられたけどフラグが回避出来たからよしとしよう。
でも、アルフは戦闘ギルドに入ったみたい。
家族だからって私の我が儘でアルフの行動制限をしたくないから好きにさせてる。
晩ご飯はちゃんと一緒に食べてるけど。
「アヤミ、こんばんは」
「こんばんは、ウィルさん」
今日の営業は終わり片付けをしている間にウィルさんが入ってきた。
今日も大量にケーキを買って行ったのによく太らないよね。
「突然ごめんなさい。 今日はゼイルに言われて会議の事を知らせに来たんです」
「会議?」
「ええ、商業ギルドでは半年に一回それぞれの経営者が集まって会議をするんです。 アヤミが来てから初めての会議ですので知らないと思ったゼイルが私に頼んだんですよ」
やっぱりギルドマスターって大変なんだね。
「後、アヤミは登録以来商業ギルドに来てないでしょう? だから、早めに来てランク上げ申請して下さいね」
ランク上げ申請?
まだ半年ちょっとしか経ってないのにもうランクアップしてるの?
「わかりました。 会議はいつなんですか?」
「明日の昼1時からです。 それでは、明日ギルドでお待ちしてます」
綺麗にお辞儀をしたウィルさんは足音を立てずに去って行く。
そう言えば、さっき来た時もウィルさんは足音立てなかったような……。
「お姉様っ、明日会議に出るのですか?」
バタバタと駆け寄ってきたリーフィはまた私に抱き付く。
「ぐふっ……!」
……聞いた話によればリーフィは戦闘ギルドのSランクらしい。
そんなリーフィが力強く私に抱きつけば苦しいのは当たり前であって――。
……あっ、綺麗なお花畑が見える……。
「リーフィ、アヤミが苦しそうだ」
私の顔色が変化してきたのがわかったのか後から来たキースさんの声がうっすらと聞こえた。
「きゃー! お姉様っ、ごめんなさいっ」
キースさんの声に反応してかやっとリーフィが離してくれた。
ああ、酸素が美味しいっ!
泣きそうになりながら見上げてくるリーフィが可愛いので許すことにする。
「大丈夫だよ」