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主人公多くないですか?②

 


「お姉さん、ここの野菜美味しいですねっ」


「もうお姉さんって年じゃないわ。 このお店に置いてる野菜は魔法を一切使ってないから美味しいのよ」


「……魔法使わなかったら美味しいんですか」




農薬じゃなくて魔法なのか。

魔法って食物にはよくないのか……。




「それにしても、そんなに買って1人で食べるの?」


「一番街でお店を開く事にしたんですよ」


「あらー、オープンしたら教えてね。 お店はウチの人に任せて食べに行くから」


「ありがとうございますっ」




めっちゃいい人。

早くオープン出来るように頑張らないと。


野菜の他にも必要な食材を買えばどんどんカバンに入れていった。

このカバン本当に便利。


更に暗くなってきたのでそろそろ家に帰ろう。

お店の準備が出来たらギルドに行かなきゃいけないみたいだし……嫌だな。




「このクソガキがっ!」




えっ、私っ?


少し焦ったが私ではなかったみたいだ。

怒ってるおじさんが8歳~10歳くらいの男の子を殴っていた。


………殴ってる?




「ちょっと、何してるんですかっ!」



幼児虐待反対っ!

いくら怖いからって虐待現場を見たら黙ってられないし!




「あ? このガキが商品を持ち逃げしようとしてたんだよ」


「だからって殴る事ないですよ! 親にでも言えば……」


「嬢ちゃん、このガキは親が居ねぇんだ」




確かにあっちでも親が居ない子供とか虐待されてた子供は居た……。

けど、ただの偽善者ってわかってても目の前で起こってる事をほっとけない!



「じゃあ、私が払います。 いくらですか?」


「銅貨5枚だ」



えーと、銅貨1枚で百円だったっけな?


男の子は凄い痩せてるし、親が居ないならどうするか考えないと。

お金を支払えばおじさんはそのまま店の中に入って行く。




「おいで?」



私が声をかければ男の子はぎゅっと小さな手で手を握り締めてきた。

かっ、可愛いっ!




「お名前は?」


「……アルフォレッド」



ショタじゃないけど、ショタじゃないけど、この子可愛すぎる!




「アルフォレッド君?」


「アルフって呼んで……?」



上目遣いキター!

しかも、しかもっ、目に涙が溜まってるし………あれ、もしかして人攫いと思われてる?




「アルフは今までどうしてたの?」



知り合いがいるなら探さなきゃいけないし。

小さな男の子を1人にさせるなんてありえない。




「……お父さんとお母さんが2週間前に殺されて……余ったご飯貰ったり盗んだりして……近くの廃墟で1人で寝てる」


「じゃあ、お姉さんと一緒に来る? お姉さんね、今日ここに来て1人で暮らすんだ」




人攫いではありません。

こんな可愛いアルフを1人にして間違いでもあったら困るから私が育てる!




「いいの?」



……うん、ショタじゃないけどアルフは可愛いからいいや。




「もちろん、私は彩美って言うの」


「アヤ姉?」


「そうだよ?」



駄目だ駄目だ、アルフの可愛さにやられる所だった。

既に手遅れかもしれないけどね。




「アヤ姉、アヤ姉っ」




アルフは嬉しかったのか可愛らしい笑みを浮かべながらはしゃいでいる。


……鼻血出るかも……。



アルフと一緒に店に戻れば部屋は一部屋しかないので一緒に寝るつもりだ。

部屋には何も置いていなかったので大きめなベッドや本棚、テーブル、必要な物を創造で出し置いていく。


神様(?)、サービスし過ぎです。




「アヤ姉、お腹空いた」


「じゃあ、ご飯にしよっか」




捨て子を拾う。

これも王道的展開かもしれないけど、アルフと2人で生きていく事を誓います!



 

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