貴族の事情⑪
「もし、そんなことが合ったとしても教えるともりはありませんわ」
「だな。 どんな理由があってもアヤミに危害加えようとしたのはそっちのメンバーだからな」
エスメラルド様のことはまだ私の推測だろうから今言っても貴族に対する名誉毀損になる可能性はあるからね。
リーフィたちも答えるつもりないのか平然と言ってるけど、エディさんもこれ以上突っ込んで聞くつもりはないのか何も言わないでいる。
「それは謝罪するよ。 俺のギルドメンバーが迷惑おかけてようですまなかった」
「私も止めれたのに止めずに居てごめんなさい」
「……悪かった」
リーダーであるエディさんが先に謝罪をするとエイフィーさんもユルリさんも同じく謝罪をした。
……私的にはちゃんと謝ってくれたし、この受けた依頼を止めてくれるのであればそれでいいからね。
私はちらっとリーフィの方を見るとリーフィも私の考えをわかってくれているのか安心させるような笑みを浮かべてる。
「謝罪をして頂けたのでしたらこちらとしたら問題ないですわ。 後はこれ以上関わらないで下さればいいです」
「ああ、ユルリはもちろんだけどさっき居た他のメンバーにも伝えておくよ」
それなら安心だね。
リーダーの言葉なら依頼が達成出来なくても無理に納得はしてくれるだろうし、今日にでもクロスがスチュアートさんに話してくれるみたいだからエスメラルド様のこともすぐに解決すると思う。
ディサンダ様はアルフのことには納得してくれてるみたいだからね。
「それならいいですわ」
「アヤミさん!!」
エディさんたち三人も私たちも納得したので話はこれで終わるのかと思って居た時、慌てた様子で話し合いの前にアルフと出て行ったレイファが慌てたようにお店に入って来た。
急いで戻って来たのかレイファの息は乱れており、しかもどこか怪我をしてるのか少し服に血が滲んでいる。
「レイファ、どうしたの? 怪我は?」
「俺のことよりもっ……!!」
怪我をしてるようなので手当をしようとレイファに近付いたけど、レイファは焦ったように私を見上げている。
そして……レイファが怪我をしていることに集中していた私は気付かなかった。
「アルフはどうした?」
「え? アルフ?」
「そう! アルフが攫われたんです!!」
は? アルフが触られた?
え、アルフが出て行ったのはついさっきのことなのに何でそうなってるの!?
「どうして!?」
「いや、俺にもよくわかんねえっすけど……三人に男に囲まれて……。 追いかけたんすけども撒かれてしまって、早くアヤミさんに伝えないとって!」
私はレイファの言葉を聞くとすぐに探知能力を使ってアルフの反応がある方に向かって走って行く。