再会はすぐに⑦
ロバート・スチュアート side
さて、アヤミちゃんは行ったみたいね。
アヤミちゃんは良い子なんだけどちょっと人を信じ過ぎる所があるから心配なのよ。
そこがアヤミちゃんの良い所でもあるからあんまり強くは言えないんだけど。
「貴方……」
確か女の子の方はリーフィちゃんって名前だったかしら?
リーフィちゃんもキースちゃんもアヤミちゃんのことを大事にしそうな間にではあるんだけど、アヤミちゃんはちょっと天然な所もあるからお姉さんがお節介焼いちゃうのよ。
「あたしは貴方達のことは信用してないわ」
リーフィちゃんがあたしに何か何か言おうとしたのを遮ってあたしは二人を見る。
アヤミちゃんはこの二人を信用してるみたいだけど、元帝国の人間でしょ?
別に帝国の人間が全員悪いなんて思ってるわけじゃないわ、この子達も訳ありの人間みたいだし……でも、簡単に信用は出来ない。
アヤミちゃんのお願いだからちゃんとやることはやってあげるけど。
「……そうですわよね」
「ええ、アヤミちゃんのことは信頼してるから貴方達が街の中に居ても問題が起きないようにしてあげる。 けど……貴方達がもしアヤミちゃんの信用を裏切って何かやってみなさい。 あたしが許さないから」
殺気を視線に込めてに睨みつけるとあたしの殺気に体が反応して二人の体が無意識に動こうとしたけど、意識して止めたみたい。
そうよね、殺気に反応するのはまだ上位の冒険者でもあることだから問題ないけどもそれで人を傷つけてしまったらアヤミちゃんに迷惑かかるもの。
あたしが認めるまではあたしの子飼いの子に監視でもさせときましょう。
「スチュアートさん、お待たせしました」
「あら、わざわざありがとう」
「いえ、スチュアートさんには色々お世話になりましたから」
両手に袋を持って戻って来たアヤミちゃんはあたしにその袋を差し出してくる、今日はお店やってるはずだったのに閉まってたからもしかしてこの二人が来たから急遽休業にしたんでしょうね。
ケーキとかは数を用意しないといけないから朝から大変だったでしょうに……。
「はい、代金」
「え? いいですよ!」
「駄目よ、これはアヤミちゃんの労働に見合った対価なんだから。 ちゃんと受け取らないとね?」
「はい……」
アヤミちゃんはただで上げようとしたいたようだけど作るのに材料費だって掛かるんだからちゃんと受け取って貰わないと困るわ。
アヤミちゃんはまだ納得してくれたない様子だけどあたしの言葉だからか受け取ってくれた。
「じゃあ、また時間を作って遊びに来るわね?」
「はい、いつでも来て下さい」
にこにこしてるアヤミちゃんに挨拶すればあたしはケーキの袋を持って騎士団の隊舎に向かう。
アヤミちゃんの為に一肌脱ぎましょうか。