再会はすぐに②
……そうだよね、二人ほどの実力があったらそんな雰囲気もわかるよね……。
私が二人に帰って来て欲しいって願ったのはいけないことだったのかもしれない……。
「アヤミ、気にしなくていいぞ。 俺たちは王国に戻って来たことに不満はないからな」
「ええ、尋問されることも覚悟してますわ。 でも、私たちはそれでもアヤミお姉様の元に帰りたかったのです。 私たち兄妹を助けて下さったアヤミお姉様の元に」
リーフィから体を離すとリーフィは私の手を握りにっこりと綺麗な微笑みを浮かべている。
助けたなんて私は何もしてないのに……体の印を消したのはレイファだし、私はただ無意味に帝国に行って色々引っ掻き回しただけな気がするけど……。
「アヤミさん、どうかしました?」
「レイファ」
ひょこっとキッチンの方からレイファが顔を出してきた。
二人の姿を見てきょとんとしてるがすぐにあの時の二人だと思い出したのか私たちに近付いて来る。
「よかったっすね、アヤミさん。 戻って来ないの心配してましたもんね」
「うん、でも二人は……」
「あー、元帝国の特殊部隊の人間なら絶対に怪しまれるっすねー」
皇子だってあまり顔出ししてなかったレイファでもバレる心配があったからあまり一人で出掛けれなかったのに、疑われてる二人だと余計だよね。
でも、家にずっと軟禁してるのは全然違うし……。
「店を閉めて王都じゃないとこに行けば問題ないもかも……」
「なら、ロバートさんに話してみます? 今日店に来るって言ってたんで」
「え? スチュアートさんって今日来る予定だったの?」
そんな予定初めて聞いたんだけど、レイファ。
昨日から知ってたらフルーツたっぷりにタルトでも用意してお土産にでもして貰うことだって出来たのに……。
「アヤミお姉様……スチュアートってあのロバート・スチュアートのことですか?」
「リーフィも知ってるの?」
「当たり前だろ、ロバート・スチュアートと言えば帝国の上層部が最も警戒してる相手だからな。 20年前の戦争では帝国に最も大打撃を与えたのは剛力の巨人ロバート・スチュアートだからな」
……スチュアートさんって騎士団で凄い人みたいだから強いってのはわかっていたけど、もしかして私の想像以上の人だったのかも。
そんな凄い人と私は知り合ったんだね。
「とりあえず、今日は店閉めちゃいましょう! アヤミさんも二人が心配で店をやってけないでしょうし」
「でも……そんな簡単に店休むなんて……」
「大丈夫っすよ! むしろ、アヤミさんは頑張り過ぎるんでちょっと休んだくらい問題ないっすから!」
そう言いながらレイファは休業の札を出しにお店の外に出て行った。
うーん、でもこんな私的なことでお店休むのもな……でも、リーフィとキースが心配なのは本当だし……。