告白➉
「ああ、どこに行くんだ?」
「綺麗な花畑が街の外にあるんだけど結構近いってアルフから聞いたから行ってみたかったんだ。 でも、中々行く機会がなくてね」
行く機会がなかったのは本当だけど今回は丁度いい機会だよね。
出る魔物も花畑付近では大人しい草食の魔物だけだって聞いたし、危ないことには近づかないようにして今日の告白を成功させたい。
その為に色々考えて来たんだから!
「ああ、あそこか。 あそこなら比較的安全だから問題ないな。 でも、アルフも連れて来ればよかったんじゃないか?」
「アルフは今日はギルドに行く予定だったみたいだからレイファにお願いしたのよ」
実際は全くの逆ではあるんだけど、クロスに今日告白するって決めたからレイファにお願いして今日はアルフと一緒に居て貰ってるからね。
私がレイファの名前を出すとクロスは少しむすっとしている。
「わざわざ頼まなくてもよかっただろうに」
「うーん、アルフが強くなってるのはわかるんだけどやっぱ一人だと心配でね。 レイファももう少ししないと危ないってのはあるからそれはそれで心配だけど」
「アヤミは心配性だからな」
スチュアートさんが全部の手続きが終わったらまたレイファを迎えに来るて言ってたからその手続きが終わったらレイファも自由に外に出れるからね。
バレるかバレないかドキドキして過ごさなくてよくなるし。
そんな話をしながら私たちは街から出て目的の花畑に向かった。
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「うわー、綺麗だね」
初めて見る花畑は本当に色とりどりで綺麗だった。
でも、季節に関係ないのかアネモネやカトレアが一緒に咲いていたりしてるからもしかしたら日本とは違うのかもね。
「ここは一年中花が咲いていてたまにここの花を取って来る採取依頼もあったりするからな。 薬の材料や化粧品に使うらしい」
「へえ、らしいってクロスは採取依頼は受けないの?」
「ああ、俺は討伐依頼がほとんどだからな」
採取依頼でも難しい依頼もあるだろうけど、クロスはやらないみたいだからあまり知らないのかな?
でも、ギルドランクは高いからやらないだけでちゃんと知識はあるんだろうけど。
ここの採取依頼なら私にも来れそうだからちょっと勉強しようかな、お金はいくらあっても足りないからね。
「クロスっぽいよねー……」
……どうしよう、告白なんて初めてだからタイミングがわからない。
え? 告白する人たちってどんなタイミングでみんな言ってるの??
緊張して私の心臓がバクバクと破裂しそうだし、普段通り振舞ってるつもりだけど普段通りに出来てるかどうかもわからないし。