告白⑦
教会の中に入ると目の前には大きなステンドグラスがキラキラと輝いて見える。
翼のある白い馬だからペガサスなのかもしれない、ペガサスに乗った男の人と綺麗なドレスを着てる女の人のステンドグラスなんだけど剣と魔法の世界なのにこんな綺麗なステンドグラスもあるんだね。
他では見たことないから教会やお城にしかないのかもしれない。
「ようこそいらっしゃいました。 レイア様はいつでも私たちを見守っていますからね」
にこにこと笑顔の神父さんの服を着たおじいさんが私たちに声をかけるとそのまま違う部屋に向かって行った。
他にもお祈りしてる人も居るみたいでみんな真剣な表情でお祈りしてるのが見えるので、私たちも椅子に座り調べた通りに祈りを捧げる。
「(私をこの世界に連れて来て下さった神様、ありがとうございます。 初めてお会いした時は神様だなんて信じてなかったので不敬だったかもしれませんが、神様のおかげで私は大切な家族や友達、好きになれる人に会えることが出来ました。 私はこの世界で精一杯生きていきます。 私の両親が日本で幸せに生活出来るように神様も見守っていて下さい)」
『幸せになってね、僕の可愛い娘よ』
不意に耳元で聞こえた声に思わず目を開けて辺りを見回すも私たちの近くには誰も座っていない。
……私の耳元で聞こえたんだから周りに居るかと思ったんだけど……もしかしたら私をこっちに連れて来てくれた神様が見て居たのかも。
僕の娘ってのがよくわからないけど、神様が人を作ったんだから人間も獣人もこの世界にある全てが神様の子供なのかな。
「どうかしたのか?」
「ううん、何でもないよ」
私が辺りを見回したのが気配でわかったのかクロスが不思議そうに私を見て居る。
でも、流石にこんなとこで神様からの声が聞こえたなんて言ったら頭のおかしい子扱いされるのは必須だから誤魔化す。
後でちゃんとクロスには説明しておこう。
「まあ、貴女はシフォンの店主さんじゃありませんか?」
「巫女様っ、お待ち下さい!」
「巫女様っ!」
少しだけ孤児院に寄付してから帰ろうと立ち上がると巫女服を着た可愛らしい女の子が笑顔で私に駆け寄って来る、その後ろから慌てたように二人の女の人が女の子に駆け寄る。
……巫女さんってあの神様からの信託を聞くって言う人だよね?
見た目はまだ未成年って感じだけどこの子が巫女さんなんだ。
「もう、いいじゃないの。 店主さん、私、店主さんが作るお菓子大好きなんです」
「えーと、ありがとうございます?」
「まさか、教会で店主さんに会えるなんて思ってもいませんでした!」