告白④
もうそんな時期なんだ、アルフとも前に話したけど学園にはやっぱり通って貰って同い年の友達も出来たらいいなって思ってたからね。
貴族の子も通ってる学園だからちょっと心配なとこはあるけど、あまり過保護になり過ぎたらアルフの為にならないし。
まあ、やっぱり心配になっちゃうことはあるんだけどね。
「アルフは入学試験受けるからクロスが勉強を手伝ってくれるなら嬉しいよ。 私は学園に通ってないから本を見ながら一緒に勉強するしかないからね」
「なら、俺が教えよう」
「ありがとう。 でも、無理はしないでいいからね」
クロスは頭も良いからありがたいね。
私は勉強が苦手だから地理とかも自分が覚えるのだけで精一杯だから、アルフの勉強になってるか怪しいとこだからね。
「ああ、問題ない」
これもクロスの優しさだから嬉しいよね、アルフが学園に通うようになったら喫茶店も営業を縮小して修行の方を頑張ろうかな。
これから何があるかわからないから自分の力をつけとくのは悪くはないことだからね。
あんまり戦いたくはないんだけど仕方ないよ、この世界は力がなかったら失うものがあるんだから。
「私もアルフの為に頑張らないとね」
「アルフなら特待生になれるだろうから資金は問題ないだろう」
「それはコーネリアちゃんからも聞いたよ、特待生に選ばれれば一年間の学費は無料になるって。 だから、アルフも私に迷惑をかけないように特待生になれるように頑張るって言ってくれたんだよね。 アルフが学園に通うことは前々から考えてたからちゃんと用意してるのに」
ボルギルフさんから聞いた時から学費は貯めておこうと節約してたから問題はない。
まあ、18歳まで通うから特待生になってくれたらそれはそれでありがたいけど、無理したり自分を追い詰めてしまったりしたら大変だからね。
クロスも一年間だけだけど一緒に学園に行ってくれるみたいだからよかった。
友達が出来たら友達と行くと思うけどね。
「アヤミに負担かけたくないんだろうな」
「本当にアルフって良い子だよね」
良い子過ぎて自分を抑えてないか心配になっちゃうけど、それは年上に囲まれてるからってこともあるんでしょうね……。
だから、学園では同級生の友達が出来ることを期待してるよ。
「アヤミの人柄が良いからだろうな」
……クロスは何があってもどんなことでも褒めてくれるから恥ずかしいよね……。
恥ずかしいけど、クロスと二人っきりになることは少ないので私たちはアルフが帰って来るまでそのまま話し続けた。