告白③
……そんなにじっと見ないで欲しいんだけど。
察しの良すぎるクロスだから気づいてしまうかもしれないけど、今回は私から言わせて欲しい。
「……何もないならいい」
「うん、それで話が変わるんだけど……来週ってクロス空いてる?」
「来週はギルドの依頼を受けなければいつでも空けられる」
今回の依頼は本当に急遽頼まれたことみたいだから忙しかったみたいだけど、来週は空いてるみたいでよかった。
空いてるってよりはクロスがわざわざ空けてくれるって感じだけど申し訳ないような今回は有り難いような……でも、自覚するのに時間かかったから早く言いたいしね。
「じゃあ、ちょと付き合って欲しいんだけど大丈夫?」
「いいぞ」
「ありがとう、時間はいつでも大丈夫だからね」
よし、クロスとはこれで約束を取り付けられたから後は私の心の準備だけだね。
どこでクロスに告白するかも考えなければいけないからちょっと来週まではそのことしか考えられないかもしれないけどもバレないようにはしなきゃ。
うん、アルフはレイファの予定がなかったらレイファに一緒に居て貰おう。
「アヤミから誘われるのは初めてだな」
「あー、そうかもしれないね」
クロスが言ってる通りにクロスから言ってくることはあるけども私からクロスを誘ったことはない。
帝国に行く時も本当はクロスを連れて行くつもりもなかったし、これからも適切な距離を取るつもりだったんだけど……恋ってわからないものだね。
「ああ、嬉しい」
私と出掛けることがそんなに嬉しいのかふにゃりと柔らかい笑みを浮かべている。
16歳にしてはずっと大人びた表情をしてるクロスだけど、たまに見せる年相応の姿に可愛いなって思ってしまうのは仕方ないと思う。
……でも、こんなことで嬉しいなんて思うなんて幸せのライン低すぎじゃない?
波乱万丈の人生を16歳でもう送ってきたみたいだからラインが低くなるもの仕方ないのかもしれないけど……もっと幸せを感じさせたいよね。
うん、ここは私が来週頑張るしかないね!
「ごちそうさまでした。 クロスは今日は何か用事あるの?」
「いや、ない。 アルフは出掛けてるのか?」
ご飯は食べ終わったのでお皿を片付けながらクロスとの会話を続ける、普段と同じようにしていないとドキドキして心臓が壊れてしまいそうだから私的には喋り続けるしかない。
自覚しただけでこんなに気の持ちようが違うなんてびっくりだね!
「うん、ちょっとギルドに用事があるみたいで朝から出掛けてるよ。 遅くても夕方くらいには戻ってくるって」
「そうか……そろそろ学園の入学試験もあるからアルフが通うなら勉強を教えようと思ったんだが」