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告白②

 



「いただきます」



「いただきます」




本来こっちにはご飯前に”いただきます”や”ごちそうさま”なんて習慣はなかったみたいなんだけど私たちとご飯を食べるようになってから一緒に言うようになった。

私もクロスに教えられてこっちの習慣もするようになったからいいことなのかもしれない。


スチュアートさんのご飯はクロスが言ってたように本当に美味しかった。

高級なレストランってわけじゃないんだけど……心から安心するようなお母さんの味、みたいな?


……何だかお母さんに会いたくなってきちゃった……。




「それで俺の居ない間に変わりはなかったか?」



「うん、変わったことって言えばスチュアートさんと出会ったことぐらいかな。 後は何も変わってないよ」




恋を自覚するまではクロスと二人っきりになることなんて普通だったのに、自覚した今じゃ本当にドキドキしてる。

いや……だって本当にカッコいいよね……。


男の人の長髪ってあまり好きじゃなかったんだけどクロスの綺麗な顔には似合ってるし、その瞳もカラコンでしか見たことのない赤い瞳も綺麗。

低い声は聞いてるだけで心地良く、強くて守ってくれるその姿にきゅんってしちゃう。


……恋をすると本当にこんな乙女脳になってしまうなんて思わなかったね。




「それはよかった。 少し面倒な依頼だったから長くアヤミの側を離れてしまったからな」



「そんなに長くなってなかったけどね。 でも、心配してくれてありがとう」




会えなかったって言っても一週間ちょいだしね、それくらいなら長く離れてしまったってわけでもないし……まあ、私もクロスのことが心配だったんだけど。

クロスに初めて会った時から三日と空けずに会ってたからなぁ。




「……何だか……」



「どうしたの?」




少し不思議そうにしながらクロスは私のことをじっと見ている。

そんな真っ直ぐな目で見られたらちょっとドキドキしてくるから止めて欲しい、私から目を逸らしたらおかしく思われるだろうから逸らせないし。




「いや、少し雰囲気変わったか?」



「誰の?」



「アヤミの」




……別の意味でドキッとするわ。

え、クロスってちょっとの変化に気づくの早過ぎじゃない?


私は今までと同じようにクロスに接してるつもりだったし……いや、自分では今までと同じだと思って居てもクロスからしたら違うのかもしれないけども。




「そうかな? 特に変わってないと思うけど?」




クロスが帰ってきたら告白はしようと思って居たけど、流石にこんないきなり帰って来るなんて思ってなかったからまだ心の準備出来てないから。

それに折角告白するんならもうちょっとムードを大切にしたい。



 

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