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レイファの失恋⑦

 



「いえ、アヤミさんが優しいからっすよ」




優しいからこそトラブルに関わってしまうってのもあるかもしれないけど、そこは俺たちが守ればいいからな。

アヤミさんを守る為にも俺はもっとギルドランクをあげたりして頑張らないとな。




「ありがとう」



「も-、それはこっちのセリフっすよ」




このままの生活をずっと続けたいって思うのに……人生はそんな甘くないんだよな……。




「アヤミ」



「クロスっ、帰ってきたの?」




外からクロスの気配がしていたのはわかっていた、クロスも俺と他の誰かが居るのがわかっていたのか警戒しながら中に入ってきたからな。

アヤミさんはクロスの姿を見た瞬間に今まで俺には見せたことのないような笑みを浮かべて俺から離れて行く。


……帰って来ない方が俺にはよかったんだけど。

やっぱクロスには敵わねえか。




「ああ、少し手間取ったが問題はない」



「本当に怪我もしてない?」



「俺がアヤミが悲しむようなことをするわけがない。 アヤミは優しいから人が傷つくのは嫌がるだろう?」




クロスと話してるアヤミさんはとても綺麗で……やっぱり俺はアヤミさんが好きなんだって思ってしまう。

でも、アヤミさんがクロスを好きなのは見てわかることで、アヤミさんは俺の気持ちには気づかない。


……こんなに胸が痛いなんて思ってもみなかったな。




「アヤミちゃん、折角クロスちゃんが帰って来たんだからゆっくり話してていいわよ。 あたしはレイファちゃんと用事があるから、ね!」



「え、でも……」



「じゃあ、また来るわ~」




料理は作り終えて皿の上に綺麗に盛り付けたのかスチュアートさんはアヤミさんに挨拶してる。

ついでに俺も連れて行く流れになってるけど、もしかして二人の様子を見てスチュアートさんは気付いたのかもな。


引き止めようとしてるアヤミさんに手を振りながらもスチュアートさんに連れられて俺は外に出る。




「あの、スチュアートさん……」



「レイファちゃん、お酒飲める?」



「え、まあ一応……こっちでは18で成人ですし」




スチュアートさんが何を考えているのかわからないけど、ここリファイアの成人は18歳。

日本じゃ法律違反だから飲んだことはなかったけどもこっちでは成人の儀が終わった時から飲んでいる。




「じゃあ、飲みに行くわよ」



「は?」



「書類上とは言えあたしはレイファちゃんの親になるんですもの。 腹を割って話しましょう?」




……よくわかんねえけど……もしかして俺の気持ちに気づいて気を使ってくれてるのかも。

俺ってばそんなに分かりやすい顔してたのか?




「……美味しいもん食べさせて下さいね!」



「ええ、もちろん」





アヤミさん、俺はアヤミさんのことが好きです。


アヤミさんの幸せがクロスと一緒にあるのなら俺は反対しません。


俺のこの気持ちも心の奥深くまで押し込んで蓋もします。


でも、もしアヤミさんがクロスに傷つけられたら俺はクロスをぶん殴りますから。


アヤミさんは幸せになって下さい。


 

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