表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
228/288

レイファの失恋④

 



「でも、女の子一人だと危ないだろ? 俺もギルドに行ってて送れない時もあるし」



「レイファ様はお優しいんですね」



「いや、俺は優しくなんてないよ」




多分……いや、確実に俺はアヤミさんより非情になれるよ。

だって俺は日本人ではあるけど、兄弟すら己の欲望の為に殺す王族の血が流れてるんだからな。


俺の優先順位は一番はアヤミさんだから。




「でも、レイファ様がそう心配して下さるなら明日からは迎えに来てもらいます」



「ああ、その方がアヤミさんも安心するしな」




アヤミさんは素直に慕ってくれてるコーネリアちゃんのことを大切にしてるからな。

コーネリアちゃんが怪我でもしたらアヤミさんは凄い気に病むだろうし、それは俺が嫌だからな。


アヤミさんにはずっと笑って居て欲しい、もし俺が振られることになったとしてもアヤミさんには幸せになって貰いたい。




「……レイファ様はアヤミさんのことが大切なんですね」



「もちろん、俺の命の恩人だからな」



「それだけですか?」




ぴたりと歩みを止めたたコーネリアちゃんはじっと俺を見ている、コーネリアちゃんは結構周りを見てるから俺がアヤミさんを好きなのに気づいているのかもしれない。

でも、そんなことを俺が素直に話すわけがない。


コーネリアちゃんは俺が好きなわけだし、それなのに俺がアヤミさんのことを好きだなんて言ったら二人がギクシャクするかもしれないしな。

自意識過剰って言われるかもしれないけど、アヤミさんが少しでも傷つくようなことにはさせたくない。




「それ以外はないよ」



「そうですか……」



「ほら、早く帰ろうぜ」




まだ納得してないようなコーネリアちゃんだったけど、俺が歩き出したのでコーネリアちゃんもその後ろに着いてくる。

あーあ、クロスが帰って来なければアヤミさんと付き合えるかもしれないのにな。




「レイファ様、私……レイファ様が……」



「コーネリアちゃん」




コーネリアちゃんが俺に何を言おうとしたのかがわかったので俺は立ち止まり、振り返る。

振り返ると暗い中でもコーネリアちゃんの頬が赤く染まっていることが見えた。


にっこりとコーネリアちゃんに向かって微笑むとコーネリアちゃんの顔が更に赤くなるのがわかるけど……。




「レイファ様……」



「俺とコーネリアちゃんは今も友達だ、そしてこれからも」



「あ……」




コーネリアちゃんからの告白なんて聞いてしまったら、コーネリアちゃんが気まずくなってしまうかもしれないだろ?

貴族であるコーネリアちゃんが付き合うなら普通に王国の貴族の方がいいからな。




「さあ、行くか」




もうコーネリアちゃんは何も言うことはなく俺の後に付いて来る。

明日になったらちょっと気まずくなるかもしれないけど、告白を断るよりはマシだろ。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ