表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
226/288

レイファの失恋②

 



この世界は死と隣り合わせの世界だ。

アヤミさんはあまり街から外には出ねえけど、今は戦争がいつ始まるのかわからない時期だし街の中だから絶対安全なんて言えるわけもない。


街中で暴漢に襲われてって可能性もある、もちろんそんなことは俺もアルフもコーネリアちゃんもさせない。

アヤミさんと買い物に行く時は周りにも気をつけてるし……まあ、コーネリアちゃんと初対面の時は俺から首を突っ込んだんだけど。




「うん……アヤ姉怒ってるかな?」



「んー、どっちかと言えばアルフを心配してんじゃね? アヤミさんは怒りの沸点は高いし、そんなことじゃ怒らねえよ」



「帰ったらアヤ姉に謝らなきゃ」




アルフは素直な性格だよな、それぐらいアルフの両親が良い人だったのかアルフが元々素直な性格なのか。

こんな性格のアルフだからこそアヤミさんはアルフを助けて一緒に暮らしてるんだもんな。




「そうだな、それでちゃんと話をするんだ。 アヤミさんならアルフの話はしっかり聞いてくれるからな」



「うん、アヤ姉は優しいもんね」




ああ、アヤミさんは優しいからな。

探し人の為にわざわざ帝国まで来て、しかもその探し人は帝国の特殊部隊の人間だったみたいだし、敵国である皇子である俺にも対等に話をして助けてくれたし。

アヤミさん自身は身内以外には非情になれるって思ってるみたいだけど、実際は優しい人だから困ってる人は助けようとするし……素敵な人だよな……。


正直日本に居たら絶対に関わらなかったと思う。

容姿はデブってまではいかないけど痩せてもないし、顔も可愛いとか美人なわけじゃないし、性格的にはどっちかと言えば社交的ではあるけど大人しめだし。


でも、俺はそんなアヤミさんを好きになってしまったんだから仕方ないよな。

前じゃ内面で付き合うなんて有り得ないって思ってたのに今じゃこんなんだもんな。




「ああ、優しいよな」




でも、アヤミさんが好きなのはクロスだってことは俺にもわかってる。

俺はどうやっても弟扱いのままでクロスには勝てない、……アヤミさんが無自覚のままだったらもしかして俺にも可能性があったかもしれないけど、自覚しちゃったみたいだもんな。


多分、一人じゃ自覚しなかっただろうし誰かと話して自覚しちゃったんだろうな。




「レイファ兄、ありがとう」



「いいんだよ、俺はアルフの兄貴だからな。 ほら、帰るぞ」




ベンチから立ち上がるとアルフと手を繋いでアヤミさんが待ってる店にへと帰る。

まっ、アヤミさんがクロスと両思いだからってまだ付き合っても居ないんだから俺が諦める理由にはならねえけどな。

付き合ってしまったら俺も諦めるかもだけどまだ先の話だし。



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ