転生者➉
「えーとね、レイファ? 実はスチュアートさん近日中にはお店に来るの」
「えっ!? まじっすか!!」
「うん、レイファの身元保証人をしてくれるそうで一度レイファに会いたいんだって」
私のことはいくら調べても何も情報が出てこないから問題はないかもしれないけど、レイファは調べられたら問題が出まくるからね。
騎士団で実績があるスチュアートさんが身元保証人になってくれたら色々と安心だし。
「……断りてえけど、断ったらアヤミさんに迷惑かけるもんなー……」
「悪い人じゃないのは確かだよ」
「アヤミさんがそう言うなら信じますけどー……」
まだどこか疑って居る様子のレイファだったけど、私の言葉に渋々と頷く。
よかった、レイファもスチュアートさんに会ってみたら多分私が安全だって言った意味もわかるでしょ。
ただコーネリアちゃんが居る前でスチュアートさんが本性を見せるかどうかはわからないけど……でも、コーネリアちゃんが居て問題ありならスチュアートさんが言うと思うから大丈夫かな。
「ありがとう、日時はスチュアートさんの部下の人が伝えに来てくれるみたいだから私たちはいつも通りに過ごしてて問題ないよ。 忙しいみたいだからいつ来るかわからないけどね」
「わかりましたー」
「了解致しました」
不服そうなレイファはひらひらと手を振りながら、コーネリアちゃんは静かに微笑んでいる。
……そう言えばアルフはずっと黙ってるみたいだけど……。
私は先ほどから黙ってるアルフが気になり隣に視線を移すとアルフは下を向いてふるふると体を震わせている。
「アルフ? どうしたの?」
「……アヤ姉は……」
「ん?」
ぽつりとアルフが何かを呟いた気がしてアルフを見つめるが、アルフは顔を上げると首を所に振る。
どうしたんだろう? やっぱアルフにはまだ言わない方がよかったかな?
「何でもない……」
「アルフ、一緒にギルドに行くか」
レイファもコーネリアちゃんもアルフの様子がおかしいことに気づいたのかレイファは私にウインクするとアルフをギルドに誘っている。
うん、レイファの方がアルフも素直に話してくれるかもしれないし、アルフのことはレイファに任せよう。
「うん」
「アヤミさん、俺はアルフと行ってきます」
「行ってらっしゃい」
レイファはアルフを連れて立ち上がるとそのまま二人でお店を出て行った。
アルフが心配だけど、ここはレイファに任せよう。
「アヤミさん、アルフくんもしばらくしたら落ち着きますよ」
「うん、そうだね」
コーネリアちゃんは少し落ち込んでる私の背中をポンポンと優しく叩いてくれる。
……レイファ、お願いね。