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転生者⑧

 



「え? マジでそんなヤバい奴なの?」



「有能な方ではあります」




有能ではあるよね、絶対。

人生経験豊富だろうし……見た目が厳つい感じだから呼ばれなかったら自分からは近付いて行くことはなかったと思う、もしスチュアートさんが転生者だと知っても。




「そのスチュアートさんからの呼び出しの内容が保存食を作ることなの。 近々戦争があるからね」



「はあ? まさか、アヤミさんにその保存食作れって? アヤミさんは戦争に関わり合いになりたくないからわざわざ帝国まで俺に会いに来たってのに!」




うーん、レイファに会いに行ったわけじゃないけどね?

元々はリーフィとキースを探しに行ってたわけだし、レイファと会うことになったのはたまたまだからね。


でも、治癒が使えるレイファに会えたことは私の幸運だったけど。




「まさか、スチュアート様がアヤミさんそんなお願いを……いえ、騎士団の方に言われたらそれはお願いではなく命令になります」



「アヤミさんは人が良いから基本的に断れないし、それなのに騎士団からの命令なんて……」




まあ、私も最初は引き受けて作ってる振りをしようと思っていたからね。

断ったら絶対に面倒なことになるのはわかっていたことだし、その為には作ってる振りして定期報告しろって言われたら適当に報告するつもりだったし。




「……ってのが建前の理由だった」



「建前?」



「どういうことです?」




多分、アラフィーさんやこのことを知ってる他の騎士団の人は本当に私が戦争の為に保存食を研究すると思ってるんだろうね。

スチュアートさんは能力で魔物の氾濫を知ってしまったけど、それは他の人には言えないことだし。


言ってしまったら何で知ってるのか、もしかしたらその氾濫をスチュアートさんが計画してるんじゃないかって疑われるかもしれない。

本当に信用出来る人には話してるのかもしれないけど。




「私が話した感覚だけどスチュアートさんは凄い良い人だったよ、ちょっと見た目は怖いかもしれないけどね。 そのスチュアートさん独自の情報で別の事件があってその為に保存食を作って欲しいんだって」



「良い人って……数時間話しただけで信じてしまうなんてアヤミさんも人がいいっすね。 」



「そうじゃないよ。 スチュアートさんは自分の秘密を話してまで私にお願いしてきたの、自分の為じゃなくて街の……王国で生活する人々の為に。 だから、私は協力することにしたのよ」




いくら転生者だからって自分勝手な人の為に私は喜んで協力なんてしないよ。

もし、レイファのことで脅迫してくるんであれば私は王国自体に愛着がないから、王国自体を出ればいいだけの話だからね。


コーネリアちゃんに会えなくなるのは寂しいけど。


 

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