転生者②
「……そこまでのお話なんですね」
「もし、コーネリアちゃんが私たちの深い話に関わり合いになりたくないなら話さない。 正直に私たちの秘密は他の人にはバレてはいけないレベルだからね」
コーネリアちゃんが聞かないことを選択したとしても私は責めることはしない。
聞くも聞かないもそれはコーネリアちゃんに選択する権利があるんだから、聞かないを選択するならそれはそれで仕方ない。
「もちろん、聞きます」
「いいの? お父さんにも話せないよ?」
「はい、そこまでのことを私に教えて下さるなんてアヤミさんが私を信用なさって下さっているからです。 ならば、私を助けて下さったアヤミさんに泥をかけるような真似はリンデル家の名において出来ません。 例え拷問されようが私は話しません」
「いや、拷問されそうになったら話していいからね? 秘密にはして欲しいけど命と比べないで」
自分の身が危なくなったら流石に話していいよ。
軽々と話されるのはもちろん問題だけど、秘密を守るのに命を懸けられるのも問題だよ……。
「いいえ、貴族として名に懸けたんですから何があっても守ります」
「アヤ姉、それって僕も聞いたあの話……?」
アルフにはアルドラに居た時にクロスと一緒に私のことは説明したからね。
私が転生者だって知っても態度も何も変わらなくて私のことを素直に慕ってくれてるから嬉しい。
「そうだよ」
「なら、コーネリアお姉ちゃんは大丈夫だよ。 コーネリアお姉ちゃんは僕と同じでアヤ姉のこと大好きだもん」
「はい、アヤミさんのこと大好きです」
にこにこと笑顔のアルフとコーネリアちゃん。
……可愛いんだけど、そこが重要ではないんだけどね……。
「わかった。 じゃあ、まずコーネリアちゃんは転生者って言葉は聞いたことある?」
「お父様の口から聞いたことあります。 私が幼い頃にお父様が他の方とお話してるのを立ち聞きしてしまっただけですが……。 とてもお強い方だそうで」
「実は転生者は一人の人間のことを指してるわけじゃないの。 死んでしまった後に別の世界に生まれた人のことを指すの」
流石にファンタジー小説がないこの世界で転生のことを一から説明するのは簡単なことじゃないし、冗談を言ってると怒られるかもしれない。
私は用意していた紙を使ってコーネリアちゃんにしっかりと説明する、……私もファンタジー小説の知識しかないからふんわりとしかわからないけど。
「まず世界には神様がたくさん居て複数の世界があるの。 このリファイアが一番目の世界だとして私たちは二番目の世界でも生きていた記憶がある。 二番目の世界で死んでしまったから神様がこの一番目の世界に転生……生まれさせてくれたの」
絵心がないからただの丸だけどそれは勘弁してほしい。
絵心もないし、説明も下手だから私の説明で分かってくれたらいいな。