転生者
あの後は私を心配していたらしいアラフィーさんがすぐに迎えに来てくれてスチュアートさんとはお別れした。
アラフィーさんが話の内容を聞いてきたので私はスチュアートさんが作った話の内容を伝えるとスチュアートさんに少し怒った様子で私には申し訳なさそうにしていた。
正直スチュアートさんを悪く言うのは良心が痛むけども、それがスチュアートさんが望んでいることなんだから仕方ない。
閉店したお店に戻った私は三人にはしっかり話そうと思った。
「アヤ姉、お帰りなさい!」
「アヤミさん、騎士団の方とのお話は大丈夫でしたか? アラフィー様とはお話したことありますが正義感もあって優しい方ですから問題はないと思っていましたが……」
「女騎士って響きがいいすよねー」
私を迎えてくれたアルフは笑顔でコーネリアちゃんは私を心配してくれて……レイファだけはちょっと違ったから軽くチョップをする。
皇子だった時みたいに手当たり次第に女遊びをすることはなくなったけど、女好きの性格は治らなかったみたいだね。
「ただいま、ちょっと話があるんだけどコーネリアちゃんは時間大丈夫?」
「はい、帰りは念話するように言いつけられておりますが、時間は大丈夫です」
「じゃあ、ちょっと時間頂戴ね」
コーネリアちゃんさえ大丈夫なら話は出来るので私は三人にリビングの椅子に座って貰った。
長丁場になりそうな感じがするので紅茶を入れると私も椅子に座る。
「騎士団の方で何かあったんすか?」
「あったっちゃあったけど、その話よりまずはコーネリアちゃんに私たちのことを話したいの。 レイファのことも関わるから話していい?」
「……俺はアヤミさんに命を助けて貰ったも同然なんでアヤミさんが話したい人に勝手に話してもいいっすよ。 もちろん、能力も」
私のいつもとは違う真剣な雰囲気を感じ取ったのかレイファも真剣な表情をしている。
私のことを話すとしたら必然的にレイファのこともわかってしまうから聞いたんだけど、レイファは小さく微笑んでいた。
私はレイファの命を救った気なんてなかったのにレイファはそんな風に思っていたんだ。
「ありがとう、でも命を救ったわけじゃないからそこまで気にしなくていいよ」
「でも、アヤミさんと会わなければ俺は殺されてましたからね」
……それはちょっと否定出来ないかもしれない。
時期皇帝争いに関与していなかったとしても後々の問題にならないように次期皇帝が決まったらレイファも殺されていたかもしれないし。
他の皇子が死んだのを聞いたからありがちない話じゃないからね。